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【プルマガα】オフィス現況見通しで札幌レジが今年も最有望株です(寄稿64回目)

Posted on 2017年04月24日


新幹線延伸により、札幌は全国的なコールセンター新規進出や札幌市内外より拡張移転などの、活発な賃貸オフィス需要拡大に伴い、オフィス空室率の大幅な低下が依然と続いています。

その、首都圏よりの札幌進出業種で多いコールセンター業者の雇用者数の増加が既に顕在化して、今年もオフィス新設が相次ぎますので、賃貸レジデンス需要増に繋がります。

特に、大規模オフィスビルに限り空室率が1,79%(98,21%入室)迄低下して、札幌市の大規模オフィスビルの空室がほとんど在りません。

2017年1月竣工した大規模ビルはすでに満室で竣工しており、当面は需給の逼迫状況が続くと考えらます。
その札幌オフィス市場の現況と共に、数年後迄のオフィス賃料の予測を試します。

札幌は2017年1月フコク生命越山ビルが満室竣工でした。
コールセンターや、IT系の新規進出や、市内外の拡張移転、又ビル館内の改修と増床などの、旺盛なオフィス需要増加により、札幌のオフィス需給は逼迫する状況が今年も続いています。

そして、空室率は2000年以降で最低水準を更新し続けており、2017年2月の空室率は4,78%と、東京都心5区の3,21%や、福岡市4,03%に次ぐ低い水準となっていました。

札幌市の空室率下落に伴い、賃料も上昇が続いています。
2016年下期は前期比で12,0%増の成約で、前年同期比で11,88%の上昇となりました。
その上昇が第一次バブル崩壊後のファンドバブル期(2006年~2008年のバブル崩壊企業が清算の為に保有していた収益不動産の安値処分売り時代)のピーク迄あと3,7%の水準まで回復しています。バブルです。

札幌市内の空室率に関しては、全てのオフィスビルの規模で大幅な低下がみられます。特に、上述の大規模ビルの空室率の低下は著しく、2017年2月の空室率は1,79%と、ほぼ空室がない状況にあります。
この高水準は東京都心5区2,88%や、大阪市3,42%、福岡市(2,10%)などを下回り、主要都市で最も低い数値になっています。
2011年以降に、札幌ビジネス地区で竣工した全てのビルが満室になっていました。

札幌ビジネス地区では、6年連続で賃貸面積(=稼動中の面積)が増加し、この間の賃貸稼動中面積の減少は5万坪を上回ったとされています。
その賃貸稼動中面積増加は、2015年の1万4千坪増から、2016年には7千坪増へと半減していますが、これは市況の好調による空室面積の減少に伴い、賃貸の面積の増加の余地が少なくなった為と推定されています。

札幌市では近年で低水準ながらも、2年に一度の大規模ビルの供給が続いてきました。
他の全国主要7大都市では、2007年から2010年の大量供給後には、オフィスビルの新規の供給がほとんどなくなったのと比べて、札幌市では安定したオフィスの供給が続いています。
なお、過去10年間の札幌市の新規供給量は3万6千坪と少なく、大阪市の37万坪や、名古屋市の22万はもちろん、福岡市の9万5千坪や、仙台市の8万坪をも大きく下回っていました。

札幌ビジネス地区の賃貸面積の増加を、新築ビルと既存ビルとに分けてみると、最近の賃貸需要の増加と相対的な新築ビルの少なさから、2015年2016年の需要増加の9割弱が既存ビルで吸収されています。
その、オフィス需要吸収の調査でも、2000年以降で最高水準の需要吸収が進んでいました。

札幌ビジネス地区の2016年末の空室面積1万8千坪は、直近のピークである2010年末の33%の水準であり、1995年以降で最少の空室面積となりました。

札幌ビジネス地区では、オフィスビルの全規模で空室率の大幅な低下がみられます。
2016年1月の空室率は、駅前通と大通公園地区で3,08%(一年前は4,31%です)、駅前東西地区で1,70%(同様に4,12%)、南1条以南地区で7,167%(同7,69%)、創成川東と西11丁目近辺地区で6,65%(同7,41%)、北口地区で1,67%(同3,38%)と、駅前東西地区と北口地区で1%台の水準にまで低下しています。

空室率の低下に伴い、各地区の募集賃料も底打ちの傾向がみられます。
今の需給の逼迫度に合わせ、地区別の募集賃料は上下変動がみられますが、駅前東西地区を中心に全ての地区で賃料は底打ちの傾向が強まっています。

札幌ビジネス地区で賃貸可能面積が最も集積しているのが、駅前東西地区(全体の28,4%です)で、ついで駅前通と大通公園地区(同28,00%)、創成川東と西11丁目近辺地区(同16,1%)、南1条以南地区(同14,8%)、北口地区(同12,66%)と続いています。

2016年の一年間に、札幌ビジネス地区で賃貸可能な面積は800坪の減少に成りました。賃貸面積は7千4百坪の増加で、空室面積は8千2百坪の減少でした。
賃貸面積は、駅前通と大通公園地区と駅前東西地区でともに2千7百坪の増加になるなど、全ての地区で需要が増加しました。

札幌のオフィス市場を考える上で最も重要な業種がコールセンターです。
すでに、多くの首都圏企業が札幌にコールセンターを立地させて、日本でのコールセンターやカスタマーセンターの一大拠点となっています。
札幌市の調査によると、コールセンター需要は増加を続けており、2016年はコールセンターとバックオフィスセンターを合わせて、企業数で2社増、雇用者数で3400人の増加でした。
2016年は、特に流通業とアウトソーサーによる雇用者数の増加がみられています。

首都圏のコールセンターの札幌への立地意欲は高いですが、逆に今の大規模ビルの空室率が1%台に低下したほどの空室の少なさから、コールセンターの受け入れの余地が極めて限定されています。
こうした、札幌市におけるオフィスビルの不足は、札幌市でのコールセンター需要のもったいない取りこぼしと、他の都市への進出増加をもたらしている可能性があるものと推されます。
なお、札幌は2017年から大規模ビルの新設が続くことから、再びコールセンターの新規
進出や雇用者数の増加が顕在化する可能性が高いと見做されます。

札幌では2017年から3年連続で大規模ビルの新規供給が予定されています。
2017年は1月に札幌フコク生命越山ビルが満室で竣工しており、2018年には札幌創世スクエアの供給が、2019年には札幌大同生命ビルの建替えが予定されています。

※なお住民基本台帳人口移動報告によると、2016年の札幌市の転入超過数は9315人で、東京を除いた主要都市の中では大阪市を上回り、2年ぶりに最も転入超過数の多い都市となっています。

札幌市では、15歳~24歳の女性の転入超過数の多さと、全年齢層で転入超過がみられることに大きな特徴があります)。
これまで20歳~24歳の男性の転入超過数が極めて少ないことが大きな課題でしたが、2016年は463人増でこれまでの転入超過数と比べ(2015年が2014人増、2014年が49人増)大幅な増加がみられます。

札幌市の人口はわずかながら増加が続いています。
すでに2009年から全国で人ロの自然減が始まっていますが、札幌は社会的な需要増が人ロの自然減を補って人口増加を達成してきています。
今後は5年ごとでみると、2015年をピークに人口の減少が予測されます。

札幌における今後のオフィス供給や人口流入、経済予測などに基づくオフィス需要の見通しから、2023年までの札幌のオフィス賃料の予測で、札幌市は旺盛なオフィス需要から賃料は上昇すると予測されましたが、すでに札幌は大幅に賃料が上昇している事と、2017年以降三年連続で大規模オフィスビルの供給があることから、賃料の上昇余地はさほど大きくないという結果となっています。
今の流れで描いた、オフィス賃料は、2016年から2018年にかけて9,0%の上昇後に下落に転じて、2023年には同10,2%になるものと推されています。

そして、当面の賃料のピークまでの上昇率は18,6%(2016年比で)、想定外で2,7%増、2023年の賃料水準は今の状態で3,2%増、想定外で25,7%マイナスと予測されている様です。

札幌市では築浅の大規模ビルのほぼ全てが満室という状況にあり、コールセンターなどの進出希望にこたえられない状況が続いています。
こうした需給が逼迫した状況も、2017年から3年連続で大規模ビルの竣工が続くことから、多少需給逼迫が緩和されると思われます。

多分、新規大規模ビルの供給等影響で、2018年をピークにオフィスの賃料はしだいに下落に転ずるという見通しとなりそうです。
今後も、コールセンターを中心に札幌市への拠点進出需要の強さから、空室率はさほど悪化せずに2023年の賃料水準も2016年と比べて10%マイナスの下落にはなりますが、2016年の賃料よりは高い水準と推されます。

今後、新規に供給されるビルは、立地の良さや建築コストの上昇などを反映し、ある程度高額な賃料水準になると考えられます。
中期的な札幌のオフィス市場の成長のためには、コールセンターなどのさらなる高付加価値化や多様な人材確保が不可欠でしょう。
すでに、コールセンターの一大拠点として、その経験者が多く存在する札幌の利点を生かした潜在労働力である高齢者の採用や、他国言語対応などに加え、コンテンツ産業やIT系企業、バイオ産業、インバウンド関連企業などのさらなる起業誘致や地場企業の育成に期待するものです。
それが良い面で逆に想定外の良い数値に表れて来ます。

また実は、札幌は都市の中でも築古ビルの比率が高い都市であります。
札幌におけるオフィス機能のさらなる成長や高度化と耐震性の確保、街のにぎわいづくりのためにも築古ビルの継続的な再開発の進展が望まれます。

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