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【プルマガα】東南アジア諸国収益不動産投資地・フィリピン版(寄稿72回目)

Posted on 2017年06月2日


明治31年スペインから独立したフィリピン。

地勢的にラテンアメリカ同様に東南アジアのラテンと称されるユニークな魅力が在ります。
そして、近年は企業進出や収益不動産投資先として再評価されて日本の個人投資家にも人気を集めています。

フィリピンは、第2次世界大戦終結後の1950~60年代には、一人当たりGDP国内総生産で、実は日本に次ぐアジア第2位の位置に在りました。
その後、韓国・香港・台湾・シンガポール勢のアジアの新興工業経済地域が大きな経済発展を遂げて、その次に、タイやマレーシアなどが、外資の積極的な導入を図って、工業化や輸出の拡大を推進する中で揃ってGDPの急成長に繋がりました。
でも、フィリピンはその流れに乗り遅れて長らく経済が低迷した侭でした。

フィリピン・タイ・インドネシアの一人当たりGDPの推移を観ると、1980年時点では、その三国がほぼ同水準ながらフィリピンが最上位に在りましたが、先ずタイに1986年以後で大差をつけられて、1996年に3倍の大差がタイよりつけられました。

その後も、2007年よりインドネシアより差をつけられて、2010年に1000米ドルもの差が出てインドネシアの後塵を拝するように為りました。(2013年はタイ・インドネシアが500米ドル程度減少しています)
フィリピンが一人当たりGDPで3000米ドルになったのは2014年頃で、タイ・インドネシアよりも7~10年程度遅れました。

そして、フィリピンが近年の政情の安定化傾向が、ドゥテルテ大統領の麻薬制圧政策の浸透も在り、その面で経済成長の持続という環境下で製造業の生産拠点や製品とサービスの消費市場として注目され、外資企業の新規進出や既存拠点の拡大地としての、人気ターゲットとなっています。
例えば、国際協力銀行による年次調査の中期的有望事業展開先のランキングで、2012年の15位が、13~14年は11位、15~16年は8位と上昇していました。

フィリピンは1億人を超える人口規模が在り、中でも若年者のウェートが大きくて、周辺国に比べ生産コストが低廉な労働市場に成っています。
そして、日本では在り得ない英語の通用度の高さと、10年来の消費者の内需購買力の向上、および投資優遇策など投資条件環境の改善等が、海外の企業や投資家から見たら魅力となっています。

産業面の近年の特徴は、フィリピンがインド等と並んで、アウトソーシング事業=業務委託ビジネスの、一大拠点になっていることに在ります。
ソフトウェア開発、コールセンター業務、各種事務代行業務に加えて、アニメ製作(作画も仕上げも背景作業等の代理業務)でも大きな役割を果たして来ています。
さらに、英語学習(オンラインによる英会話学習を含む)においてもタイ・インドネシアに対して徐々に存在感を増しています。

フィリピンは英語の通用度が高く、バスケットボールが大人気のスポーツであることは、米国の影響が戦後1946年の独立後も深い関係が在る事に理由が在ります。
また、企業分野において華人系の財閥グループの存在が目立っていることは、タイやマレーシアなど他のアセアン諸国にも共通する事象でも在ります。

他方で、フィリピンがアジアの他国と異なる大きな特徴とは、300年を超える長期にわたるスペイン統治時代の影響によって形成された、南欧や中南米のラテン諸国にも似たユニークなラテン文化と明るい国民性にも観られます。

その事例で、先ず驚くのは、4ヶ月も続くクリスマスシーズンの長さです。
暑い気候のフィリピンですが、クリスマスの飾りつけは早くも9月に始まり、12月までお祭り気分を楽しむ伝統文化が在ります。
この事自体は、カトリック系のキリスト教徒が人口の大勢を占める事と、ラテンアメリカ的な陽気でお祭り好きな国民性を反映しています。

そして、驚いたのが国民の名前に在ります。
多くのフィリピン人がスペイン系の名前を持っており、歴代大統領は全員がスペイン系の名前です。
例えば、現職のドゥテルテ氏から1965年以来20年を超える長期政権を担ったマルコス氏までの7名を遡ってみてもそうです。

また人名では在りませんが、日本のキリングループが大株主となっているフィリピンの著名なビールブランド・サンミゲルも、聖ミカエルのスペイン語表記であります。
そして、そもそもフィリピンという国名自体も、スペイン皇太子フェリペ(スペイン国王フェリペ2世)に因んでいます。

さらに企業セクターにおいて、わずかな人口比率ながら有力な華人系の財閥グループのウェートが大きい点は、上述のとおり他のアセアン諸国と共通しますが、でもフィリピンで最も古い歴史を持つ名門の財閥グループであり産業界で非常に大きな影響力を持つのはスペイン系のアヤラ財閥です。

アヤラ財閥は、共にスペイン人の血を引くドミンゴ・ロハスとアントニオ・アヤラの両氏によって1834年に設立された会社がその起源で、現在では幅広い分野に展開するコングロマリット上場企業として、小売、不動産、銀行、通信、水道インフラ、再生可能エネルギーエレクトロニクス、情報技術、自動車、ヘルスケア、教育、アウトソーシングなど多岐多様に渡って事業を行っています。

以上が、フィリピンにおけるスペインの影響度=ラテンアメリカ的な伝統文化の大きさについてご紹介しました。

国や地域の文化は、歴史の中で様々な要素が地層のように蓄積堆積し融合していくものと考えられます。
フィリピンの場合には、マレー系の土着文化と華人文化とスペイン・米国の元統治国の文化などが混合して、フィリピンの文化の形成に寄与していますが、中でもスペインの影響が大きいのです。
このような、アジアのラテンと呼ばれるユニークな文化と国民性を有するフィリピンが、ドゥテルテ新大統領の下で、久し振りに、数十年振りに巡ってきたフォローの風を活かして、更なるGDP成長につなげられるものと見做されます。

衣食足りて礼節を知るに例え通りに、衣服や食糧といった生きるために必要なものが十分に国民に在るようになって初めて、礼儀や節度という社会の秩序を保つための作法や行動を期待することが出来ます。
国民に、為政者が社会生活のマナー礼節を求めるとするならば、まず国民の生活を豊かにさせることが必要です。
そのステージ超がフィリピンで成し遂げられたものと察しています。

次のステージ、国民が余資運用で収益不動産投資が増えるでしょう。
GDP成長がタイに迫ると、当然に生活が向上し進出外資企業や海外の投資家の資金が流入しだして、住み良いフィリピン(安全性、大自然、明るい国民性、ラテンアメリカの様な文化、年中お祭り騒ぎの楽しい国)のイメージが海外に浸透して収益マンション取得の需要と供給が増化するものと見做されます。

今までの不動産投資の枠にとらわれない目線で不動産投資を再考し、オーナー利益の最大化を目指します。
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