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【プルマガα】東証1・2部上場企業不動産売却調査2016年度公表、今後は?(寄稿79回目)

Posted on 2017年06月27日


16年度売却土地総面積は、公表した企業合計で133万平米でした。

単純比較で前年度52%より増えています。
但し、売却面積1万平米以上が17社で前年度より6社減り、大型案件は減少していました。

公表した売却トップ企業は、JR東海子会社の鉄道車両メーカーで日本車輌製造の65万平米です。
海外事業で多額損失や長期借入金の全額繰り上げ返済に充てるために、愛知県内の3工場や駐車場・展示場などを売却しました。

次いで、2位は資産効率と財務体質の向上(バブル崩壊後に流行った他目的分野に進出した企業の財務諸表の整理整頓リバランス)を目的に静岡県静岡市の土地12万平米を売却した通信機器や現金自動預け払い機ATM等製造の沖電気工業です。

3位は破砕・粉砕機や水処理装置メーカーの郷鉄工所が12万平米でした。
主に財務体質の強化が売却理由で岐阜県不破郡垂井町にある本社事務所と工場の土地建物を売却しました。

譲渡価額総額は、公表44社合計で2774億万円でした。 
トップは三菱重工業の761億円で、それも同じく財務体質強化の一環として横浜市西区のみなとみらい地区に保有する三菱重工横浜ビルの土地建物を売却しました。

次いで、2位は保有資産の最適化(リバランス、最適化は余分な資産を整理処分して身軽に為って資本収益率の向上を図ります)で、横浜市中区の大型複合施設TOCみなとみらいの土地建物を売却したテーオーシーの665億円です。

3位は日本車輌製造の337億円と続いています。譲渡価額100億円n以上は前年度と同じく7社でした。

その、譲渡損益総額は公表69社合計で2208億円でした。
内訳は、譲渡益計上が60社で合計2324億円(前年度1440億円)でした。
譲渡益のトップは、三菱重工業の516億円。
次いで、テーオーシーの299億円、京浜急行電鉄の270億円、IHIの179億円でした。

これに対して逆に譲渡損を公表したのは9社(前年度8社)で、譲渡損合計は116億円(前年度82億円)で、全体的に都市圏の地価上昇が視て取れます。

業種別では、卸売業が10社で最多数でした。
次いで、機械製造業が9社、サービスと電気機器が各々7社、小売業が6社、化学が5社と続いています。
業種別の売却土地面積では、輸送用機械製造業が74万平米でトップでした。
次いで、機械製造業が26万平米、電気機器製造業が7万平米、ガラス・土石が5万平米の順でした。

2016年度(2017年3月末迄)に東証1・2部の場企業が売却した不動産は、本社、支店、営業所、工場などの事業に直接利用されていた物件売却が28社でした。
一方で、遊休地や駐車場、賃貸用不動産などの売却は40社で、事業に直接影響する中心的な資産の売却は少なくて、遊休資産の売却が中心でした。
今の、好業績を背景に上場企業の不動産売却は、業績悪化などを要因にした売却処分ケースは少ない様でした。

但し、今の業績が好調でも、将来の自社の新たなる成長分野や、或いは本業のビジネス展開を見据えて、財務の余裕を残した侭で(投資資本の外部調達能力を容易にさせる為に)事業を見直し、工場や店舗、事務所などの集約を進める企業は今年度も更に増えるとみられます。

このため、今後は経営資源の有効活用(売却側は資産整理で収益率向上)としての事業用不動産売却が増加する蓋然性が今年も在るものと見做せます。
なぜなら、日本の地価上昇が外国視線で見ると円安も相俟って十分高いレベルに為って来たので、外国投資家が日本の収益不動産取得の旨味に勢いが失せて来たのが2016年でした。

地価の停滞が2017年末に出て来て、2018年度に減少傾向に為ると思います。
既に、7大都市圏で事業用施設の賃料の停滞が散見されて来ていますので、地価上昇もそろそろ減少すると思います。

今までの不動産投資の枠にとらわれない目線で不動産投資を再考し、オーナー利益の最大化を目指します。
不動産による資産形成コンサルタント株式会社PULLUPにお任せ下さい。

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