プルマガα2
昨日からの大寒波の到来で西日本はどこもかしこも雪景色のようですね。
そんな中、先日よりお送りしておりますプルマガα2の投稿です。
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年始早々、中國株価下落で日欧米市場は大きな影響を受けました。
今週も先行き不透明で中國市場の変動に世界は神経質に成るでしょう。
12月は中國の外貨準備高が12兆7千億円減少との事です。仮に毎月この有様なら外貨は2年半で国庫から消える事に成ります。
上海株価も12月末比1/10時点で15%下落しています。先行き不安の元安に連動し下落で、株価投資資本額の資本金減額担保の為大口投資家の資本流出が更に加速すると思われ、日欧米への影響大です。
この段に中國経済先行きに言及するのは、リーマン後に台湾や中國やシンガポールからの日本の不動産市場投資が急増し、今や収益物件の奪い合いに中國の参加が増加ですので、今後の影響を排除出来ません。
近年、中國は世界経済への成長への貢献が著しいのは周知の通りです。
長期間10%を超える成長を記録し、2008年のリーマンショック以降の財政金融面からの積極的政策は、世界全体の成長下支えに成りました。
然も、この2、3年は、金融面の積極的政策が目立つ様に成りました。
これらを踏まえ昨年末は人民元が米ドル、ユーロ、円及び英ポンドからの国際通貨基金のSDR特別引き出し権の構成通貨に加えられる事に成りました。
- 諸外国に対する金融はアフリカ始め途上国への個別の支援が顕著で在りましたが、最近「一帯一路」政策の下でアジアとヨーロッパを結ぶ海、陸の線や面を捉える包括的且つ戦略的な物と成りつつ在ります。
その結果、これらの計画は、中国は今後長期に渡り大量の長期資本の輸出予定を示す事に成りました。 正直、日本国で長年に渡る金融政策担当者の評価では、中國の内外経済政策が整合的なものかどうかに付いては多少の心配をせざるを得ない、との結論でした。
- 国際金融観点では積極的対外金融政策を取ると言う事は、長期資本の大量輸出を今後長期に渡って続ける事を意味します。
これを可能にする為には、今後とも中國は貿易収支黒字を中心に、経常収支の大幅な黒字を長期的に継続する事が必要な前提に成ります。
然し中國の経常収支の黒字は、現時点では減少傾向の流れに在ります。
中國政府が表明の今後の国の超高度成長から安定成長に移るとすれば、経常収支黒字が将来拡大傾向に転ずる事を期待する事が難しく成ります。
この事は中國が輸出と公共投資中心の成長から国内消費中心の成長に移行するとしている事からも、容易に将来の実像が推測されると思います。
- 然し経常収支黒字減少下も大量の資本輸出を続ける手段が他に無い訳では在りません、それは国内部門で大量の貯蓄余剰を創造する事です。
これを行う最も単純且つ確実な方法とは、国内で大幅な増税をして併せて政府支出を大幅削減する事、即ち政府部門の貯蓄を大幅に増やす事です。
然し、これを環境改善、社会保障充実など国内に多くの歳出項目を抱える中國で実行する事は容易では在りません。
- もう一つ残された手段は、国内消費支出抑え家計部門貯蓄を増やす事ですが、これも輸出主導型経済から消費主導型経済への転換を目指すと言う今後の中國全体の経済政策とは、またもや矛盾する事に成ります。
不思議なのは、こういう常識的な事を主要先進欧米が指摘しない事です。
同様に中國金融力国際的評価に付いても当てはまります、指摘無しです。
例えば中国外貨準備高が世界第1位で在る事持って、中國に異常な国際金融余力が在る事を示す証拠であると言う議論に付いては、中國の様に企業や家計の外貨資産保有が完全に自由化されていない事実と、多くの先進国の自由化を単純に比較する事は誤りに成ります。
- 因みに外貨準備は通貨当局が保有する流動性の在る外貨資産です。
外貨資産の保有が自由化されてない中國の企業や個人は、一定要件に該当分を除き、その外貨資産を通貨当局へ売却しなければ成りません。
結果、通貨当局の有する外貨資産金額は、自由化された先進国に比して相対的に多いものと成るのです。
これらの計数を単純に比べれば、その結果、中國の国際金融力は過大に評価される事に成ります、今迄が国際評価はその様に成って来たのです。
- AIIBアジアインフラ投資銀行に付いても同じで、資本金が1000億ドルですが、これは所謂授権資本で、通常の意味の資本金はその5分の1である200億ドルの筈です。
そして大部分は拠出の国債で払い込まれるでしょうから、現金払込額は割合を10%と高く見積もっても20億ドルです。
貸出資金の原資を提供する筈のAIIB債権は、発行に必須の投資適格の格付け取得のメドが立っていません。
- 問題は、多くの専門家がこう言う事実知りながら、それを無視し中國の対外金融政策を今もなお評価している様に見える点に在ります。
中國経済の長期的安定、及びその安定成長局面への円滑な移行とは、中國のみならず、世界経済の為に欧米先進国には大切な筈です。
欧米主要国は、今の中國への輸出額の増大など短期的な自国利益を期待して耳当たりの良い言辞を中國に弄する事無く、親身に成って有益な助言を今はすべき時期だと思います、少なくとも麻生副総理は昨年再々指摘して居ましたが評価する先進国や経済界や金融界やメディアは無かったと思います。
次回に続きます!!