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【プルマガα】さぁっ、いま必要なのは構造改革?と財政の健全化です(寄稿10回目)
Posted on 2016年04月4日
プルマガα10
いよいよ今回でプルマガが10回目の投稿となります。
メルマガ読者の皆様毎度、ご閲覧頂き誠にありがとうございます。
会社自体はあまりお堅い社風では御座いませんがメルマガでは違った一面を感じて頂ければと思い続けております。
3月も終わり4月がスタートとなりました。
弊社は5期目のスタートです。
今月も商品化予定が次々と上がってきております。
直近では名古屋市南区の案件が商品化完了しております。
明日には一斉にメルマガが流れますので事前にご紹介をご希望されるお客様は事前にお問い合わせください。
その後、松山、札幌と仕入れ契約が纏まりつつありますのでこちらもお問い合わせお待ち致しております。
新設法人での融資可能な物件もございます。
それではプルマガα10に入らせて頂きます。
どこの国でも銀行は、その個人や企業から受け入れた預金の一部を中央銀行に預ける事とされており、通常この預金には利息が付かないか、場合により金利が付けられる事に成っています。
今回の措置は、そのうち一定の預金については逆に銀行から金利を徴収することにするという事です。日銀が何らかの追加的な金融緩和策に踏み切るかもしれないとは囁かれてはいましたが、今時点でこの様な異例の措置が採られる事になると予想していた人は先ず居なかったでしょう。
今時点でも言い当てたと言う人は出ていません。
然し…率直なところは、やはり純粋に金融政策の問題として捉えてみれば、多分この措置は採るべきではなかったのではないかと思います…今は少し結果論の域ですが。
この措置発表後は海外の経済、金融情勢をも反映して、安くなると思われていた円が返って高くなり、高くなると思われていた株価が下落するなど市場の乱高下がみられ、そういう事態が“先例で”発生しなかったとしても、日本の現実は今がそうで在ります。
幾つか理由が在りますが、その一つは、この措置がこれまで日銀が目指してきた物価上昇政策との一貫性に、どうも、やはり欠けている様に思慮されるからです。
日銀は昨年度開始4月に、その量的質的緩和と言う超緩和政策の導入にあたり、マネタリーベースの拡大を通じて、物価の上昇を図ると説明して来ていました。
因に、マネタリーベースは銀行が日銀に預ける預金額と市中に流通している日本銀行券の合計額です。
現在では、日銀はこのマネタリーベースが年間80兆円で増加する事を目指して大量の長期国債等を定期的に買い上げて来ています。
その政策の下で、これまでは市中銀行が日本銀行に預けている預金に付いては無利子とするか、又は0,1%を付利するとしていたのに、これを一定の預金については逆に0,1%の金利を銀行から徴収すると言う事です。
40年前は、銀行は無利子日銀強制預入比率が高いと日銀に文句言っていた時代も在りました。
然し、この部分に関する限り、銀行に預金を積ませない事とする措置、即ちマネタリーベースの拡大を阻止する措置で在る事は、当然にお分かりの事と思います。
従って、マイナス金利策はマネタリーベース拡大を通じ物価の上昇を図るという従来の説明とは、もろに矛盾しているのです。
この措置は、日銀の政策審議委員会で5対4の僅差で決定されましたが、その発表の際の文書に依ると、措置に反対した審議委員はその理由を、複雑な仕組みが混乱を招く恐れが在るとか、現在行なっている資産の買入れが限界と見做される恐れが在るとの事でした。
然し一方では、ECB欧州中央銀行は既にマイナス金利を導入しているではないか、我国もそれに倣っただけであるとの反論が当然在るでしょう。
ところがECBの場合には、日本銀行の場合の様に、マネタリーベース拡大を通じて物価上昇を図るという意図の表明は在りませんし、して来ていません。
ECBは従来から、物価の上昇はマネタリーベースの拡大ではなく、銀行の貸付の拡大を通して達成すると説明して来ました。
従ってECBの場合は、市中銀行の中央銀行への預金にマイナスの金利を付けても、それによって減少した中央銀行への預金を、銀行による企業等への貸付に廻させると言うものであり、これまでECB自らが説明して来た物価上昇のプロセスとの間に何の矛盾も生じていません。この政策履歴と実績の点が日銀とは違うのです。
かつて、今回のマイナス金利措置は物価上昇に対して多少はプラスの影響が在る様な意見も在りましたが、全体としての影響は実に予測し難くて、特にマーケットがどう動くかは判断が難しいものです。
この措置は金融市場に対しては不安定要因で在る事、その影響は時として不合理なマーケット参加者の反応を見るしかないという面を持ち合わせています。
先月、地銀の中では財務内容抜群の沖縄銀行は、今後は融資拡大をと融資部長が優等生発言して居ましたが、新規開拓先も既取引先案件も開発案件も融資成果に結び付くまでは今から年単位の期間要しますので、即効性在る融資拡大は安心先の大手企業に短期貸付枠を金利1%で押付ける事ですが長続きはしません。九州の地銀では正直に、取り敢えず債券市場の動向を伺いながらと債券運用を仄めかしています。
今からも、この予測は先ず外れてない様に思っています。
只、こういう具体的な政策措置の決定に当たり、日銀の政策決定当事者には我々部外者が知り得ない状況が在る事も事実です。
だから、上述に「多分」と断りを入れました。
では、我々はいかなる政策措置を視るべきでしょうか。少なくともその方向は明瞭です。昨年1月に、日銀が政策の目的に物価を目途として捉える事に代えて目標として、その目標を消費者物価の前年比上昇率2%と明確にしました。
その際、この政策転換は政府の一定の政策とセットで決定されています。この同じ日にデフレ脱却と持続可能な経済成長の実現の為の政府と日本銀行の政策連携に付いてと題する、異例の政府日銀の共同声明が出されて居ました。
これに依ると、政府は我国の経済再生の為、第一に思い切った政策を総動員して経済構造の変革を図る等、日本経済の競争力と成長力の強化に向けた取組みを具体化して、第二に財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立する為の取組みを着実に推進するとしています。
第一は人口減少等に伴い、放置すれば自然低下する我国の潜在成長率を高める事と、第二は我国の財政の姿の早急な健全化を図り、我国の財政に対する市場の不安定化要因を取り除く事が期待されていた筈です。因に、持続可能な財政構造を確立する為の取組を推進すると言うのは、現在は持続可能な財政構造が確立されていないという認識に基づいての、文章に成っています。
昨年4月、日銀はこの新たな政策を更に強化して量的と質的緩和という異例の金融政策を導入しました。
その効果として、現在は物価上昇率のペースはやや遅いもののデフレ脱却は着実に進展しているのは周知の通りであります。
この3年間、為替相場に付いては1ドル80円台という超円高は解消され、そこそこのレベルに戻って来ています。
因に、余り世間では認識される事は少ないですが、この超円高の是正自体も日銀のこれらの政策の効果で在る事は当然な事です。
他方…、政府側の措置は期待通り進展しているとは実に言い難いものが在ります。
経済構造改革に付いては、その具体的な構図は多岐に渡りますが、経済学的見地からすれば一貫性が無いところも多々在ります。又、政策と言うより政策目標が掲げられている場合も少なくありません。この政府側の財政健全化に付いては寧ろ後退して来た様に見えるのには、皆様も感じ入る方がおられるものと思います。
打つべき手は、今回のような中央銀行による金融措置ではなく、政府による更なる規制緩和と構造改革と財政の健全化で在る様に思われます。批判が日銀に向かう事を危惧すべきは、政府自身ではないかと察するのです。
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