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【プルマガα】名古屋経済市況(寄稿11回目)

Posted on 2016年04月15日


プルマガα11

皆さまこんにちは。株式会社PULLUP代表取締役緒方です。

昨晩の熊本地方を震源とする地震には驚きました。
誰も経験をした事がないレベルの地震であった事は容易に想像が付きます。

私の実家は熊本市東区にあり連絡が付くまでの間は気が気ではありませんでしたが、どうにか両親並びに親族の無事が確認できました。

現在も必死の救助活動が続けられているようですが、熊本の両親、友人、知人全ての皆さんが何故かもう大丈夫と思ってしまっている事に不安を感じました。

これから1か月以上は余震が続くと考えて下さい。

まだ、決して安全な状況ではありません!!

遠くに避難できる方々は一端、熊本を離れてもいいレベルだと思います。
*あくまでも個人的な意見ですが・・・。

弊社でも東区東野(益城から車で10分の位置)に平成2年のRC物件を所有しております。

現状では受水槽や配管からの水漏れが確認されています。
入居者の1人が倒れてきた冷蔵庫に足を挟まれた程度の報告だったそうです。

大事に至らず本当に安心しました・・・。

すぐさま現地の管理会社に連絡を取り「空室並びに管理人室を自由に
使って下さい!」とお伝えしました。

ここで思ったことはやはりRCは頑丈だという事です。
木造の物件であった場合はこの程度では済まなかったことでしょう。

阿蘇山が噴火なんてことにならなければいいですが、熊本のこれからの動向に注目していきましょう!!

もし、メルマガ読者の方で何かお手伝いできる事があれば仰って下さい。

熊本にすぐに駆けつけます!!

それではプルマガα11に入らせて頂きます。

 

ご案内の通り、全国的に経済は一部で弱い動きが見受けられますが、地方迄もやや緩やかに少しずつ回復を続けています。

中国やブラジルや新興国の経済減速影響が輸出生産面で見られますが、日本は好調な企業収益で個人消費や設備投資は、持ち直しの動きを続けている流れに今は在ります。

その景況下、名古屋、東海地方の経済も同様に緩やかに拡大中です。

主要産業の自動車産業は、好調な欧米向け輸出や新型ハイブリッド車投入の効果に依って増々堅調に好業績が推移しています。

また昨11月は国産初ジェット旅客機MRJが、初飛行成功し次世代産業化の国の柱として、自ずと国民の期待も高まって来ました。

金融環境は、12月は原油価格下落の動きが見られましたが、年末の日経平均株価は19年振りに1万9千円台で取引を終えています。

長期金利は、12月に日銀の金融緩和補完措置が実施され、0.2%台半ば迄低下しました。また、為替相場は12月FRBが利上げを実施し、ゼロ金利政策を解除でしたが、ドル円為替相場は120円台前半推移で、その影響は限定的と成っていました。


※先ず、名古屋各銀行の決算短信で地場経済動向を観てみましょう。

1、名古屋銀行

わが国経済は、中国経済成長鈍化をはじめとした海外景気の減速等により、景気の先行きに不透明感が増したものの、政府の経済政策や日本銀行の金融緩和政策を背景に、企業収益等の改善が見られて、緩やかな回復基調で推移しております。


2、中京銀行

わが国の経済は、一部に弱さはみられますが、緩やかな回復基調が続いております。各種政策効果の発現などにより、設備投資には持ち直しの動きがみられて、雇用情勢や企業収益は改善傾向が持続しております。

愛知におきましても、輸出や生産では一進一退の動きがみられますが設備投資は大幅に増加してきており、個人消費や住宅投資は持ち直してきております。

金融情勢に付きましては、日本銀行が実施している量的質的金融緩和の継続や、世界的な低金利政策の影響などにより、長期金利は概ね0.3%から0.5%の範囲で推移しました。尚、足元では、0.2%台まで低下しております。

また、オーバーナイト物金利は、おおむね0.06%から0.08%の範囲で推移しました。


※各行とも企業収益の好転を反映して名古屋経済は明るい兆しです。

※日銀の質的量的緩和策を評価しています。然し、今は突如として緩和策に矛盾するマイナス金利策に転換しましたから注視の要が在ります。10~12月期はマイナスですので今年は前半まで伸長する好要因は見いだせません。
同じマイナス金利策の欧州中央銀行は、以前から物価上昇と経済成長は市井の融資増加で育まれるとの政策ですから、日本国内のマネタリーベース緩和土壌と比較する事は始めから矛盾在ります。

※展望
名古屋は現在、名古屋駅周辺を中心に新たな大規模再開発や、商業施設、ホテル、アミューズメント施設等の開発計画が進んでいます。その後は2027年にリニア新幹線開業も控えていますので、今後更なる都市機能の強化発展化が拠点として期待されています。
但し、今後も業務と商業の拠点としての中部都市の機能と魅力を更に高める為には、男性と比べて少ない若年女性の転入超過数の増加や、景気が悪化でも安定的に人口流入出来る様な、今迄以上に魅力的で繁華性の在る街創りと活力在る多種多様な産業の振興が望まれます。

※現状
昨年から名古屋駅前では大規模ビルが相次いで竣工し、過去最大級の供給が2年も続く予定となっています。
これらの大規模ビルの完成により、名古屋駅前地区の拠点性は更に高まると期待されますが、実際はオフィス市況悪化が強く懸念されていました。


昨年後半に大名古屋ビルとJPタワー名古屋が名古屋駅前に竣工です。

共に高い稼動率の開業で、今のところは懸念されていたような様な供給過剰は発生していません。

名古屋市全体としては、需要は強く市況は堅調に改善していますが、地区別や規模別にみると改善度合いに若干の格差が見做されます。

今、名古屋のオフィス市況は好調が続いています。昨年秋大名古屋ビルとJPタワー名古屋が名古屋駅前に竣工して、2棟の貸室総面積は約4万4千坪と言う大規模供給でしたが、共に高稼働率開業の為に懸念された供給過剰は発生しておらず、名古屋市全体としても空室率は着実に低下しています。


また、空室率低下の中で賃料も着実に上昇しています。

賃料は前期比1割増加でバブル期の高値の86.5%水準迄回復の様です。

昨年、賃貸面積増加は新規大量供給に吸収された事になりますが、移転元である既存ビルの減少(圏内の移動)が殆どなかったのは、増床や拡張移転や新規進出や自社ビルや郊外からの移転等の、活発なオフィス需要の増加が在ったものと見做されます。

この点は先般お知らせの通り、仙台で起きている活発なオフィス市場の現象と同じに成ります。


今後、2016年~2018年の3年間は約4.2万坪供給が予定です。


住民基本台帳移動報告は、名古屋市の転入超過数は2015年に6,252人で前年比1,810人の増加。他の主要政令指定都市と比べても転入超過数の増加は顕著に成っています。これは、名古屋市への転入超過数の変動が景気回復との相関性が高い為と見做されます。転入者数と転出者数に分けてみると、最近は特に転入者数増加幅が大きく、昨年は前年比4800人の増加で、バブル崩壊後最大の転入者数87千人と成っています。


名古屋市の男女年齢別転入超過数の大きな特徴とは、転入超過数の多い20~24才層は男性の転入超過数が女性を上回っている事に在ります。

主要政令指定都市で、この年齢層での転入超過数で男性が女性より多いのは、名古屋市のみになっています。


市広報では、15~64歳までの生産年齢人口は減少続いていますが、昨年の市の生産年齢人口は142万人で前年比マイナス49千人の減少でした。

生産年齢人口は今後も減少が予測されていますので、中長期的にオフィス需要の減少や人手不足の深刻化も懸念されるものと想います。


名古屋のオフィス需要は堅調に推移しています。オフィス賃料は今後、上昇と下落を2~3年単位で繰り返す小さな振幅が予測されていましたが、大規模ビルの竣工に因る二次的な空室と三次的な空室の影響も多少出て来るものと思われます。


名古屋市へ転入超過数が景気との連動性の高さを考察すると、景気堅調が続く限り、オフィス需要の拡大は今後も継続するものと考えられます。

また、需要堅調な半面で僅かながら栄地区の空室面積が増加している事や小型ビルの空室率の改善が停滞を始め出す等、回復の状況には二極化の兆候も見え出して来たものと推察されます。


この名古屋都心部の兆候で、ブロック間の格差や規模間格差と築年格差が深刻化しない為には、もちろんオフィス需要の更なる拡大に加え、築古ビルの建替えやインバウンド需要等を狙った用途転換検討も必要と思われます。

 

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