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【プルマガα】海外資金の国内不動産取得動向に付いて(寄稿22回目)

Posted on 2016年07月26日


プルマガα22

皆さまこんにちは。
任天堂株は乱高下続いていますね。
lineの上場の時は良かったものの・・・。
証券会社のいう通りにすると痛い目にあいますね(笑)
勉強になります!!

それではプルマガαに入らせて頂きます。

日本の地方都市迄、海外から不動産投資が流入拡大して来たこの3年間は、確かにアベノミクスの金融政策は的を射た景気刺激と成って、リーマンショック前迄の、7年以上前の欧米資本中心の日本への投資流入構図は一変して、今はアジア資金と欧米資金が伯仲する投資時代に成って来ました。

然し、昨年8月突然の上海株の暴落は、世界の投資家に衝撃を与え、世界的にも且つ日本国内の不動産取得の投資動向にも連鎖して金融リスク回避の動きが影響して来ました。

そのリスク影響が不動産市場へどの様な悪影響かを探ります。

果たして、個人投資家次元の投資額まで悪影響が及ぶのか未だ物件の取得額は高騰するのか、その点は一番興味が在りますが、1年以上の先の事は断定出来ませんが、少なくとも今は川の流れの様に、この3年間の押し上げて来た景況感の流れが1年前とさほど変わらず、我々の層は流されて行くものと感じます。他方では大型の層は流れから沈む様な感じがしますので、この1年は取得動向に注視が必要です。

※要旨

[1]昨年後半から世界的に金融市場はリスク回避の動きが主流で、日本国内の不動産投資市場も、昨年全体での取引額は4年振りの現象と成った事に、余り注目が無いのは不思議な現象です。


[2]その中でも海外資金動向は、世界的な金融市場のリスク回避の動きを色濃く反映し、昨年末には海外資金に拠る日本国内の不動産取得額が前年を5割も下回ったことは驚くべき事でした。


[3]海外資金に拠る日本国内不動産取得は全ての不動産投資部門で縮小しましたが、中國人観光客主体の消費観光のインバウンド需要拡大が、更に今後共に見込めるホテルに付いては、アジア資金に拠る取得拡大が続きました。このアジア資金とは、中國そのものではなく、シンガポールも政府系や日本法人設立の民間系ファンドが在ります、その法人名事例はKAIZEN(改善)を表す社迄も在ります。


[4]海外資金に拠る日本取得不動産圏内は東京集中が尚一層進みました。また、都市への流入資金を国別で観ると、米国とアジアの資金共に縮小していました。

今後は、当面は、海外資金に拠る日本国内不動産取得は伸び悩む可能性が高いものと推察されます。今年は東京の海外資金に拠る大型物件取得は、余り動きが在りません。

但し、投資分野の中では業界の構造的成長や、東京の国際競争力向上の恩恵が見込める様な投資対象等に付いては、取得拡大が手堅く続くものと推察されます。

 

※概略

[1]不動産取引額の縮小に付いて

昨年は、前半は、株価上昇が力強く伸び継続し不動産投資市場においても大規模な取得事例が目立ちました…。

然し、8月は上海株が3000ポイントを切った株価の急落を契機に、新興国経済への失速懸念が高まり、それ以降は株式市場に止まらず、世界中の様々な金融市場でリスク回避動きが支配的な機運と成りました。

そもそも、中國政府が昨年後半5ヶ月間だけで株価支えにどれだけの政府介入したのか不明ですが、12月末に外貨準備高が数十兆円も減少したことで中國経済の深刻さが伺われます。

こうした中で、昨年の日本国内不動産取引額は、実に4年振りの縮小と成りました。調査では、100億円以上の日本国内の不動産取引の合計額は430億円で前年から約2割も縮小していました。

然し、投資のベースは依然として高い水準に在りますが、一昨年迄続いた不動産取引拡大は一旦途絶えたと見做されます。更に、出資企業からの内部取得が多いJリートの取得額がほぼ横ばいであった事から、仲介会社の媒介や入札等に拠る一般の投資市場の縮小が顕著で在ったものと見做されます、つまり海外ファンドの投資が減少していた事が伺えます。

金融市場のリスク回避動きを受け、不動産投資市場も積極的に買い付ける動きが減退したと視られます。また、一定の利回りを見込める他の投資対象先も、この低金利下では対象物が乏しい為、敢えてこの時期は一方で賃貸市況の上向きの改善が続いていますので、不動産を売り急ぐ動きも増えずに、結果的に様子見のマインドが染み渡って、不動産取引額自体そのものが縮小したとも考えられます。

[2]海外資金に拠る取得額の縮小に付いて

日本最大の不動産投資主体であるJリートの活躍の片方では、様々な投資家達が取得額を縮小していましたが、その中でも不動産価格変動の原動力に成る事が多い海外資金動向は、特に重要だと言われています。

昨年、海外資金の日本国内不動産取得額は約9千億円に止まっています。

海外資金流入が大幅に増加した一昨年からは約3割の縮小となっています。日本国内不動産取引は全体的に縮小しましたが、中でも海外資金による取得額は世界的な金融市場のリスク回避の動きを色濃く反映したと言える筈です。

更に昨年は、リスク回避の動きは後半で実に明確に表れていました。

昨年前半は日本国内不動産取得額が前年を上回っていましたが、後半の取得額は、前半から大幅に拡大した一昨年後半の半分にも満たなかった事が判って来ました、大型の不動産取引市場に急変がもたらされました。

近年、海外資金による日本国内不動産取得は毎年後半に拡大する傾向が在りましたが、昨年は3年振りに逆に後半に縮小の結果に成りました。

但し、一昨年に加速した海外資金に拠る取得拡大は一旦途絶えましたが、昨年の取得額は依然と2年前と同水準ですので、7年前のリーマンショック時の様に極端に海外資金の動きそのものが失われていた訳ではありません。

また、そもそも海外資金に拠る取得は金額が大型でも取得件数が限定的な為に、大規模取引事例は個別案件の影響が全体に占める割合が大きくて、一昨年には最大のシンガポール政府投資公社に拠る取得が約2千億円も在りましたが、昨年は中国投資有限責任公司に拠る目黒雅叙園取得が約14百億円に止まっていて、金融市場先行き不透明感の中で買い控えマインドが高まって、取得件数が減れば変動幅が大きくなるのは当然では在ります。


[3]海外資金の日本投資への業種選好に付いて

海外資金に拠る日本国内不動産取得額を業種別に視ると、特に好まれた業種は視られず、全ての業種で昨年の取得額が縮小していました。

最近は、最も海外投資家にも関心を集めているホテルも、昨年の海外資金に拠る取得額は約800億円で、前年比で約3割の縮小でした。

昨年は訪日外客数が2千万人に迫り、客室稼働率が全国的に過去最高を記録する等、ホテルを取り巻く環境は非常に良好でしたが、積極的な海外資金の取得対象には成らなかったのは意外でした。

また、リスク回避動きは機関投資家の主な投資対象であるオフィス市場で特に顕著でした。オフィス市場は、比較的に成熟度の高い投資市場が既に市場形成されていますので、投資家の投資する機運やその優先順位の変化が表れ易い市場です。以前からご説明通り、オフィス市場の空面積率と賃料動向は時々刻々と現在と先の景況感を市場に反映しますので、今後の1年や2年先を伺う大事な先行指標に成ります、いずれは個人投資家の取得対象のマンション1棟の動向に必ず影響が出るからです。

昨年の海外資金に拠る国内オフィス取得額は約5千億円で、前年比約2割の縮小でした。株価が下落し出した昨8月以降は、明らかに海外資金の流入動きが鈍化して来て、9月以降は年末迄の4ヶ月間の取得額は僅か約7百億円に止まりました。

更に、住宅部門も昨年の海外資金に拠る取得額が約12百億円に止まり、前年比で6割以上も縮小していました。

一昨年は、世界最大の投資額38兆円を冠する米国ブラックストーンス社がGE投資会社から約16百億円に及ぶ大型で大規模な各種債権化を成しました。

この事例は住宅部門で例外的に大型取引でしたが、昨年の同社の取得額は3年前の実績をも下回っていました。

然し限定的には、インバウンド需要を意識のアジア資金の取得意欲が強く表れた事例も視られました。アジア資金に拠る日本国内ホテルの取得額は昨年も拡大が続きました。

ホテルのインバウンド需要拡大は、殆どが中國やアセアン等のアジアの訪日客の増加に因るものと成っています。

アジアの投資家にとっては、旅行会社の地元情報ネットワークを活かして、日本で取得のホテルをアジアから日本への旅行ツアーに組み込む戦略等も有効でした。

更に、アジア資金のホテル開発用地の取得も目を見張るものが在りました。香港の会社が自社ブランドでの開発用地として六本木の土地を取得したり、アジア企業が自社でホテルを企画し開発するケースも視られています。

身近なところでは、観光客流入拡大が顕著な沖縄県では那覇市国際通りに、昨年から台湾の会社が一等地を取得しホテル計画を次々発表しています。

日本のホテル事業化が、従来より経営形態もホテルの機能自体も多様化しつつある様に見受けられます。

然し、ホテルと同様にアジアからインバウンド需要を享受出来る筈の商業施設に付いては、今のところアジア資金に拠る取得は本格化していません。

今の成長停滞気味の国内成熟経済の下では、皆須らく一様な消費拡大が今後も見込み難い景況下で在る限りは、厳しい競争下に在る少し難有りの商業施設の運用は高度な専門性を要しますので、海外投資家や会社にとり、容易な投資運用先ではないからと見受けます。

この分野は、経験豊富な米国の投資ファンドや、上述の企業再生ファンドで投資再販売する特徴が在るブラックストーン社よる取得や、欧米での小売チェーンやブランド企業が自社店舗用での取得をする事例が多いのですが、一方、アジア資金に拠る取得は、アジア全域で展開するシンガポール企業等の一部の機関投資家に限られているからです。


[4]海外資金の東京への集中に付いて

海外資金に拠る日本国内の不動産取得額を、取得物件所在地別で東京と東京以外で視ると、昨年は東京の占める比率が過去最高水準に成りました。

これは、東北大震災被災前後も依然として、東京が海外からの不動産市場投資額においては、アジアではシドニーやムンバイを抑えNO1で在る事と繋がっています。

投資対象の不動産分野はオフィス市場が大半を占めていた以前に比べて、物流施設やヘルスケア関連施設等の増加により、近年は多様化が進んで来ています。

これらの業種では東京以外にも立地する物件が多くて、エリアの分散も進んで来たものと見做されます。

このエリアの分散にもかかわらず、海外資金の取得に占める東京の比率が高まっていることから、海外資金の東京への集中は数値以上に根強い傾向と見做されると思います。

海外投資家が日本を診る場合、全国的には長期的な人口減少と経済停滞で将来性不安視と懸念が根強いですが、一方では東京に付いてはオリンピック開催も控え、インフラ改善に拠る国際競争力の向上が見込めています。

但し、東京に付いてもオリンピック開催を目途とした短い投資期間で検討している投資家は少なく在りません。その為には、東京のアジアの主要都市としての地位を長期的に維持し確保して行く事が重要であります。

海外資金による日本国内の不動産取得額を、資金の国別で観たら、リーマンショック後の落ち込みから回復しつつあった米国資金や、リーマンショック前を大きく上回る水準に拡大して来たアジア資金と共に、昨年の取得額は約3割の縮小でした。上記のホテルの取得を積極化したアジア資金がやや比率を高めたものの、概して海外資金による日本国内の不動産取得は、資金の出所にかかわらず縮小したものと言えます。

リーマンショック時には殆ど動きが止まった米国資金に対し、アジア資金の動きは継続して来た事から、両者の違いが明確となって来ました。

然し、昨年はリーマンショック時の様に極端な投資引揚げまでした米国資金によるリスク回避はみられませんでした、又、中國経済の失速懸念を受けて成長が著しいアジア資金の動きも鈍化した事から、双方が同様に縮小する形となったのは初めてで在りました。

国内不動産市場は、株価が下落し昨年後半も、金融市場の様にリスク回避の動きは明確には認識されていない様です。賃貸市況を代表の東京の賃貸オフィス市場は、募集賃料の上昇が継続しています。また、不動産投資市場も金融市場とはある程度は隔絶した市場として、株価が下落した後も当面は不動産価格が上昇し続けるとの楽観的な見方が少なく在りません。

更に、今年2月のマイナス金利政策施行以降、国内投資家にとって運用利回りの確保が一層難しくなっており、一部の投資資金が消去法的に不動産に向かうとのではとの期待と観測も在るのが、個人投資家や投資専業ではない層の現実視線かと思います。

然し、取引所で日々値付けされる株式と異なり、不動産の取引データは十分ではない為、不動産価格動向の把握は実は難しいのです。その為、不動産投資市場の把握は、取引額の推移から市場の活性を確認する事が重要ですが、上記の様に取引額は昨年から縮小に転じて、中でも、海外資金に拠る取得額の縮小が顕著でありました。

今後は、新興国経済の失速や米国景気の回復ペースに対する懸念と、円安に因る割安感も薄れつつ有る事から、海外資金に拠る日本国内の不動産取得は伸び悩む可能性が高いものと推察されます。

今後は、不動産価格を支える投資主体は国内の資金が中心となって、マイナス金利政策によって行き場を失った資金が、どの程度不動産投資に向かうのかがポイントになると推察されます。

但し、アジア資金が牽引してきた海外資金に拠る日本国内不動産取得の拡大は一旦途絶えましたが、インバウンド需要が拡大するホテルの様に、アジア資金に拠る取得拡大が続いた分野も在りました。

今後も構造的な成長や、東京の国際競争力の向上の恩恵が見込める投資対象等に付いては、海外資金に拠る取得拡大が引き続き堅調に続くものと見做します。

今までの不動産投資の枠にとらわれない目線で不動産投資を再考し、オーナー利益の最大化を目指します。
不動産による資産形成コンサルタント株式会社PULLUPにお任せ下さい。

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