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【プルマガα】JリートKDA決算短信に視る今年の不動産投資市場観(寄稿24回目)
Posted on 2016年08月19日
プルマガα24
弊社も長い夏休みを終えて本日より通常営業を開始いたしました。
本日より男性従業員が1名、明日より女性従業員が1名増員し本店は9名体制となりました。
これから月末に向けて怒涛の決済ラッシュとなりそうです。
明日の決済に向けてこれから名古屋に向かいます!!
決済後は岡山です。
来月の案件の商品化に向けて全力で頑張ります。
それではプルマガαに入らせて頂きます。
収益マンションは収益不動産金融証券化上場会社でも、個人と同様に次々稼働率を最大限に上げないと、投資家はJリートへの追加投資の連鎖は起きて来ませんし、個人も運用実力を評価した銀行が逆に良い物件取得を進めて来るチャンスは訪れては来ません。
然し、上場収益不動産会社も個人も運営する基本手法は全く違いは在りません。問題はどこまで徹底出来て成果が上ったら運営ノウハウとして蓄え次々と営業部門が価値観を共有し経営指針として徹底化出来るかどうかに懸かっています。
事例のケネディクスは8年来の取引で、急成長の会社ですのでその成功の成り行きを知り得ていますのでご紹介します。
H23.11.15設立東証一部のJリートケネディクス投資法人は、昨年は追加の公募調達で、不動産取得総数が105物件に成り総額で1,481億円を運用する迄に急成長しています。
主体は、投資ファンドのケネディクスで理念は、独立系の不動産運用会社として不動産投資家立場で運用サービスを図る事です。
その運用専門家人材を受け継ぐこのレジデンシャル不動産運用会社に、その資産運用を委託して、目利きを活かした着実な外部成長と効率的な収益マネジメントと及び新しい取組みへの挑戦と言う三つの基本戦略に基づき投資運用を行っています。
※運用環境
昨8月~今1月の決算短信では、我国の経済状況について「企業収益の改善等に伴い緩やかな回復基調が続いていましたが今年3月8日に内閣府が公表の平成27年10~12月期実質GDP成長率(2次速報値)は、個人消費の低迷や中國等の新興国経済の減速を背景に輸出も減少したことから、前期比年率1.1%の減少と2期振りのマイナスとなりましたと記して、更に、消費者物価指数は引き続き前年同月比プラスとなっていますが、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)影響を考慮した実質賃金指数は2012年以降引き続きマイナスで推移しています、と結んでいます。
一方で、賃貸住宅市場は、稼働率及び賃料水準ともに、引き続き安定的に推移していますので、同社が主に運用する大都市圏では、総じて人口流入が継続していますので、賃貸住宅への安定的な需要が見込まれると共に、片方ではその供給面が低位で推移して以上当面は良好な需給環境が続くものと見做している様です。
また、不動産売買市場に付いて、一部投資家による過熱感を指摘する声も在りましたが、今季も日本銀行による積極的な金融緩和政策により、引き続き活発な不動産取引が継続していくことを見込んでいる様です。
更に、「金融市場においては、中國経済減速懸念、原油安等により年初から世界的な株安が続きましたが、平成28年1月29日の日銀に拠るマイナス金利の導入決定後、Jリート指数は一時大きく上昇しました。
一方、金融市場は引き続き不安定な状況が続いており、今後の動向に注意が必要ですと最新のJリート動静を分析しています。
金融機関、且つ大口国債投資機関からのJリートへの運用投資流れ込みが増加している様な気配を伺わせています。
マイナス金利策で市中銀行の融資拡大で景気刺激を図る目論見の日銀の思惑とは、銀行は掛け離れた実情が観えて来ています。
いま、市場調達やメガバンクからの優良待遇で同社の様なJリートの調達コストは1%です。日本を代表する業種ごとの大型融資は金利1%内外に付き、新規融資や追加貸増しても、いまの様な先行き不透明感が払拭出来ない限り、与信コストの増加は可成り慎重な審査姿勢を示さずには居られません。速報値で1~3月はプラスが出ていますが、全業種が景況感を可とする判断が出ない限り、銀行の腰は重いものと想われます。
※運用状況
資産の取得及び譲渡に付いては下記の5物件で、取得価格は総額69億円を新規取得しています。
東京経済圏が3物件、利便性が在る地方経済圏2物件ですが、地方の1物件に札幌市内が在りますので注目が必要です。
新幹線効果で札幌の不動産市場は活発化している事と、7大都市の中では震災復興で景況が良く成って来た仙台も活発な動きが視られていますので、さすがに判断実行が速いJリートの姿勢が伺われます。
[1]KDXレジデンス赤坂東京都港区(単身家族)11,5億円
9月30日。
[2]KDXレジデンス神田東京都千代田区(同)7億円9月30日
[3]KDXレジデンス恵比寿東京都渋谷区(同)28,5億円10月
30日
[4]KDXレジデンス南三条札幌市(同)9,2億円9月30日
[5]セレニテ北久宝寺大阪市(単身)13億円10月27日
また、ポートフォリオ(投資家はその投資リスク管理の為に自らの資産を複数の金融商品に分散させて投資します。この商品の組み合わせをポートフォリオと呼びます)の全体の資産構成と、将来における収益力等を総合的に勘案した結果で、先の資産改善の為に下記の3物件で譲渡価格は46,7億円で譲渡しています。
[1]KDX代々木レジデンス渋谷区13,4億円9月30日
[2]KDXレジデンス白金III港区29,5億円10月30日
[3]KDXレジデンス天神東I福岡市3,8億円年9月30日
注目すべきは、この[1][2][3]共に譲渡益を計上し36百万円プラスになっている事です。譲渡利回りは5~6%ですから、いかに昨今の価格高騰化且つ需要増加なのかが如実に現れています。
その結果、今1月のポートフォリオは合計105物件で、取得価格の総額は1,481億円(1物件当たり約14億円物件価格)です。
※保有不動産の運用管理 (この点はご注目お願いします)
地域や立地及び都市毎の賃料帯や、又はテナント層(法人、個人)等の特性を多角的に考慮する事で選定した、保有不動産の運営管理を手がけるプロパティマネジメント会社(PM会社です)と連携して、物件高稼働の安定化且つ最大化を目指し運用を図って来たとの事です。
そして、各地域に密着した地元有力不動産会社との連携及びPM会社の効率的な入居斡旋活動の強化を図って来た様です。
また、個別物件の特性と稼働状況を踏まえた募集条件の設定と大都市に広がる知名度の高いKDXレジデンスのブランド力を活かした効率的な広告活動(トップ企業でもやはり広告費は必要の様です)の実施と、更にリーシングエージェント(業界用語として度々耳にしますのでご記憶下さい。入居付けが強い会社を指します)の活用と、物件ごとの特性に応じた機動的な営業活動を計画的に行って来た様です。
リーマンショック時は投資家そのものの崩壊で、早めに売らんが為の強引且つ無理な入居策を施して満室にし、売出した様な社会通念上不正義な上場ファンドも散見されました。
結果、ポートフォリオ全体の稼働率今年1月31日時点で96%に成っています。なお、今年2月ごろ那覇市のDFSの底地を百億円台で取得したJリートが在りましたが、底地を含めたポートフォリオ全体の稼働率も96%に成っています。
日本を代表するレジデンス(賃貸マンション1棟)投資上場企業とは言え、1棟当たり14億円を105棟運用管理の結果96%稼働率はとても緻密な管理状態を示しています。何故なら、その稼働率こそ同業者に秀でてなければ、同社への投資流入の自然連鎖を生まないからです。
実際の運用管理はPM会社=入居付けが強いエージェンシーに依ります、その動機付けです、会社とは言え動かすのは社員で在り人間ですから顔と顔の付合いに根底の要が在ります。
この点、取得額桁が違う個人投資家においても同じ感覚でPM会社に臨まなくては成りません。メールや電話も便利な情報交換ですが、珠にはPM会社を訪問して、窓口担当者に家主の顔と声を覚えて貰う要が在ります。事例では担当者に土産やサービス品や入居付け頑張ったお礼に何か得するものを差し上げるとかして、何かの際は電話の声だけで「あの家主様だ」「あの方の為なら頑張ろう」と動機付けを担当者にさせる事が大事です。
そう言う努力を惜しまないと、同じPMフィー5%払っても、稼働率が他の家主さん達と見劣りするからあのPM会社はつまらない、然しPM代えるとしてもまた同じです。
この様な「手懐け」手法は個人投資家トップクラスに成ると共通して熟すイロハのイですから、どうか活用を図って下さる様に願います。
さて、同社の具体的な賃貸事業収入の向上に資する施策としては、稼働状況が安定且つ好調な物件に付いては、テナント入替え時の賃料水準の引上げや礼金の収受や、更新時の賃料増額や、並びに携帯電話用屋上アンテナ設置等に拠る建物付帯収入の増加と、駐車場契約率の向上を図ると共に、賃貸事業費用の削減としては建物管理会社に地域物件の集約及び大きな範囲の群的な管理に依り管理運営コスト(フィーは2%の事例が在ります)の削減、共用部照明の一部LED化(節約だからと言え、共用廊下蛍光灯をひとつおきに消したら、消した戸は暗くて来訪者の確認が出来ません)や付帯契約及び募集経費等(第一義に広告費)の一層の見直しにて収支向上図って来た様です、この点は金銭的には細かいです。
退出後のリフォームは、都度に稟議書をPM会社は同社に送付して同社が決裁の上発注します。場合に依れば同社が視に来てどこ迄やるかをもう一度決め直す協議まで諮る事さえ在ります。これが日本を代表する東証一部Jリートの徹底した細かさで、舛添都知事の様なせこさ且つ大雑把処分は微塵も在りません。故に個人投資家次元も例え一人投資会社と言え、上場会社以下の甘いPMの管理ではいけません。
また、運用資産の市場競争力の維持と向上に有効と判断した場合には、物件ごとに戦略的な共用部のリニューアル工事と専有部のバリューアップ工事及び設備の更新等を実施していた様です。
事例は、玄関とロビーのリフォームデザインひとつでマンション1棟が見違えて来ます。この様な建物の顔を新しく見せて集客に繋げる策はファンドが良く採る方法です。
※資金調達
借入の状況は、物件取得に際し、新たに13億円の借入れを行い、昨期中に返済期日が到来した借入れの返済資金として87億円の借入れを行っています。結果、1月末で借入金残高は748億円です。
※業績及び分配の概要
運用の結果、営業収益52億円、営業利益27億円、経常利益22億円、当期純利益22億円です。
※今期の見通し
今期の運用見通しは、「今後の日本経済は引き続き緩やかな回復が続くものと期待されますが、昨年末に決議された米国の政策金利の引き上げや世界的な原油価格の下落などと言った、世界経済を巡る不確実性に加え、我国内においても日本のマイナス金利付き量的と質的金融緩和の影響や、景気と物価の見通しと勢いなどを、様々な事象に留意が必要な環境と考えられます」と記されていますが、この不動産投資会社ではマイナス金利政策下では支払金利ひとつ見ても同社の場合は0,1%加重平均で借入金利が下がると75百万円の負担減に成ります。
繰り返しますが、賃貸住宅市場は良好な需給環境の下、稼働率及び賃料水準と共に引き続き安定した基調が続くものと予想されます。
また、不動産売買市場は、昨年は一部投資家による過熱感を指摘する声もありましたが、金融市場の変調等により過熱感も一服して来ており、引き続き活発な不動産取引が継続していく事が見込まれます。
一方で、今後も日本銀行による積極的な金融緩和政策により不動産市場に対する資金供給は良好に推移すると思われますが、将来的な金利上昇リスクには注意する必要も在るものと思われます。
新規物件取得は、「土地が持つ潜在的な収益力に着目して、生活の利便性の高さと特殊マーケットの有無や土地の価値と力と言った尺度を用いて安定した賃貸収益を獲得する投資機会を判別し東京経済圏だけでなく、地方経済圏においても積極的に投資を検討します」と記してますので、リーマンショック後7年前に投資を首都圏に総引揚げした時から、反転していよいよ7大都市圏のマンション1棟取得化の再開が始まる様に見受けます。
また、投資対象を東京都心部及び主要駅へのアクセスが良い立地に所在する不動産や築年数が比較的浅い不動産だけに限定する事なく、不動産投資運用の専門家として培った目利きを活用して幅広い投資対象の中から優良な投資機会を選別する事で、着実な物件の取得を実現出来るものと締めて居ますので、資金調達の良好さが視て取れます。
保有資産の管理運用は、中長期的に安定した賃貸収益確保を目標として、各PM会社と同社が一体となり、個別の物件特性に応じたリーシング戦略を策定し、各地域における賃貸マーケットに精通した有力不動産会社と密に連携を図ることにより、稼働率と賃料水準の維持向上を目指しますと記していますので、同社の手法に目利きが在る様です。
また、各物件の運営状況や競合物件の動向等を踏まえ、稼働率の維持と向上、入居者入替え時の賃料水準の引上げ及び更新時の賃料増額、礼金収受及び空室期間の短縮、契約更新率の維持及び向上、また、駐車場収入やその他付帯収入の確保等その他収益機会を追求して賃貸利益の確保を図る、と記しています。
引き続き、管理運営コストの削減、原状回復工事を含む修繕工事費の圧縮、水道光熱費、照明器具のLED化、募集費用等の各種費用の削減に取り組みますと記していますのでマニュアル化の様です。
物件の戦略的な共用部のリニューアル工事や専有部のリフォーム工事を実施するとともに、適宜、適切な大規模修繕を継続的に行うことにより運用資産の市場競争力の維持・向上を図ると再々の記述が在ります。
資金調達は今後も金利動向等の金融環境を注視した上で、財務の安定性と資金調達コストの最適バランスを実現すべく様々な選択肢の中から、最適な資金調達手段を検討し選択して、適切な財務基盤の構築を図ると締めています。 この様な表現で締める決算短信は金融機関の大雑把な決算短信には見掛けたことが在りません。
要するに、昨年は業界の取引高は昨夏中國発新興国の金融不安で停滞化しましたが、Jリートはリーマンショック後8年目にて地方回遊の動きが出て来ました、今はレジデンス(マンション1棟)主体です。
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