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【プルマガα】今こそ、政府と学者は経済理論を体系的把握で改革を(寄稿27回目)

Posted on 2016年09月2日


プルマガα27

8/29 札幌保有
8/30 松戸案件
8/31 相模原案件
9/1  宮崎社有案件売却

4日連日の決済がやっと終了致しました。
御購入頂いたオーナー様及び業者様・物件の御紹介を頂いた仲介業者様ありがとうございました!!

本日も課長以下全ての従業員が一丸となって全国に物件仕入れの旅に出ております。
今月はオーナー都合で延び延びになっていた山梨市の物件の決済がようやく進みそうです。

ちなみに現状で物件の商品化予定案件も続々上がってきております。
物件取得をお考えのお客様は随時ご面談を受け付けておりますのでこの機会にどうぞお近くの店舗へお越し下さい。

それではプルマガαに入らせて頂きます。

 

いつの難しい時代でも、経済理論の体系的把握とは掛け声と思われるのかもしれませんが、現在では多くの分野で、これまでとは異質の問題に=ひとつの理論では解析出来ない場面に、直面していることが今の実態経済であり、今後の舵切りが分かり難い経済政策の様です。

45年前の、日本の経済学理論主流はマスクル経済学であり、慶応大発のアメリカ近代経済学論には他の大学の学生も目を見張り、これからの学問は理論より近代経済学で経済予測を科学的に分析することだと実感を得たものでした。そして、ソ連共産主義体制崩壊を迎えマルクス経済学は駆逐されましたが、あの時の熱心に社会主義経済を説いた教授は今頃何をしているのだろうと省みたものでした。

今現在、世界の主要国々の政策当局は、自国の経済対応策に苦慮しています。
経済面の対応は簡単そうですが、実にやっかいな問題です。

我々は今現在、長期に渡り物価が殆ど上昇することがないという異常な現象に直面しています。我が国もヨーロッパでも、物価を引き上げる為に、国債を中央銀行が大量購入すると言う、これまでの経済理論の禁じ手を採りつつ在りますが、日本銀行のマネタリーベース400百兆円超えて迄の成果は、期待したほどでもなくはかばかしく在りません。市場から国債を毎年80兆円買い足しても景気刺激に成っているかが、個人的な懐皮算用にはほど遠い実感が、庶民の偽らざる受け止め方ではないでしょうか。

ハーバード大学サマーズ経済学教授は、世界は新しい事態に立ち至ったとしてこれまでにない取り組みが必要だと、講義の為に文字通り世界を飛び回っていいます。その視点を以下に省みてみます。

今の我国の経済政策も欧米も、経済の混乱の原因の一つは、政策当局者の経済理論に関する知識が不十分で在ることに起因するのではないのか、そして、そこには今日の経済学者の多くが経済理論全体についての、体系的な把握が実は不十分であることが深層背景にあるのではないか、と考えている視線です。

つまり、アメリカ近代経済学の始祖のアメリカの経済学者は、自分が学んだ学派の理論には精通していますが、その自分らが属する理論の経済学全体における位置づけについての理解が、実は不十分だったのではないのかと言うのが今の経済政策混乱の原因として、根底に在る問題ではないのかと疑問視線で問うた訳です。この点は賛同します、理由は下記。

戦後の経済学徒が学んだケインズのマクロ経済政策についての大きなテーマは、大戦後の英国の経済構造の下で最適の経済政策は何かと言う、経済学者の政策探しでした。

その最適な経済政策結論とは、国全体の需要が弱い時には財政支出の拡大をして、減税と金利の引き下げなどの緩和的金融政策により内需を拡大すべきであり、そして経済が過熱した時にはその逆を行うべきだとの結論でした。この考えは今の日本政府も踏襲している政策です。

この考え方で、第二次大戦直後の失業者が溢れ活用されない物的資源が多く存在していた時期の英国においては、財政支出の拡大等によって内需の拡大をすべきだということになり、舵切りを成して来ました。

かつて、我が国の池田内閣が「所得倍増計画」を掲げて、内需拡大策を長期的に採用して、高度成長時代を実現し得たのも、又近年は中国が内需拡大策を積極的に推進して驚くべき高い成長率を実現出来たのも、実は増加する労働力人口を始めとした各種資源の余剰が存在したからで在ります。それは「労働人口始め各種資源余剰」が前提でした。

一方で、世の中は市場に委せれば万事上手く行くから、政府が政策手段を動かしても上手く行かないから、全てをそれこそ神の手に委ねるべきだと説く勢力も存在していました。いわゆる、市場介入せず神の手論です。

具体的にその国で在り得るマクロ経済政策とは、唯一どんな事が在ろうと、その国に適した一定の率でマネーサプライを継続的に持続増加させる事こそが最適の経済政策だとした、神の手理論でした。
これは、前述の好不況の際の経済情勢に応じて政策を変えようと言う政策理論とは決定的に相反する経済理論に成ります。

神の手は、金利の変動が時々の経済に与える影響を無視せよと言うことを意味していますし、この点も経済の調節の為に金利を動かすべきであると言う点では、マネーサプライ論派主流とは合い入れない点でした。

このマネーサプライ論派とは、因みにアメリカでは財政の悪化など気に掛けずに国債を増発してでも、財政支出を増やして景気を拡大することを主張する理論だと一般的には理解されています、なんだか今の日本政府の様です。

日本が第一次バブルに入る前の建設不況時代の36年前以降は、主要先進国を席巻した政策は、マネーサプライでなく実は構造改革で在りました。
小さな政府で、規制緩和し、行政改革をなし、官から民へ委譲すると言った政策が構造改革と言う名の下に、サッチャー氏と、中曽根氏と、レーガン氏等が関係国首脳によって強力な政治力で推し進められた時代を、少なくとも世界の主要国が「構造改革」を標榜していたことをご記憶の方もおられる筈です。
でも、それはたった遂30数年前の話でした。

この構造改革は、多くの分野に及びますが、経済学的に視れば高い経済成長を、潜在成長率の引き上げによって達成しましょうと言うものでした。
この理論は韓国の朴槿恵大統領が就任以来口に出している創造経済政策と同じ経済政策理論の延長線上に在ります。

労働力を含めた資源が、いわゆる完全雇用の状態になった下で、更に経済成長率を高める為には、その肝心な構造改革こそが必要で在ったのです。
これは、労働力を含めた資源が余剰の状態で在ることを前提とした、今までの経済構造の存在を前提とした、ケインズの時代には実は放置されていた政策で在りました。とは言え、ケイ ンズ経済理論としてそれが欠落していた分けでもなくて、経済政策がそういう限定つきのものであることは、しつこく指摘されていたのですが、良い時には限定策は忘れ去られるものです。

この長き間で忘れ去られていた経済学思想に、厚生経済学が在ります。
経済学を学ぶ目的を社会の改善だとする学派は、自由競争に基づく市場経済が何故世の中に役立つのか、その限界とはどこかを追求しました。

この学派は、経済の成長と共に所得格差拡大が伴っていることに注目しました。この学派の行き着く所とは、経済が成長しても個人間の所得格差が拡大すれば、その経済政策は果たしてその国では好ましいことなのかと言うことに成ります。 日本の今も同じではないでしょうか。

皆様には、はてこれは、どこかで流行ったベストセラーの話かと受け止められる方がおられるかと察します。この厚生に基づく経済学派は以前から存在していました。

更に、この数年先進国は所得格差が社会の大きな問題となりつつ在りますが、近年の所得格差拡大はこの学派の指摘する、経済成長しても所得格差の社会へ好ましくない変貌する構造は果たして良いのかと言う予告=指摘思想が、採り上げられて来なかったことに、どうも深い関係が在りそうです。だから「世界は新しい事態に立ち至った」と教授の言葉を上述です。

こう言う、45年前から今に至る経済学政策思想の流れの脈絡の中では、現在の日本政府・日本銀行の経済政策を眺めると、実に興味深いことがこの文章をお読みに成ればお判りに成るかと思います。

以前指摘しました日本の金融政策の大きな柱は、急がば回れの構造改革なしには将来の成長は望めないものと察しています。そして、今般ご紹介の格差拡大問題視の厚生経済学理論こそが、今後の日本国の政策検討の要になると思慮しています。

日本銀行は、目下はマネタリスト的な政策を強力に展開しています。先に400兆円規模超えるマネタリーベース政策を述べた通りです。

マイナス金利付・量的・質的金融緩和策によって、金利については長期のそれを含め金利水準全体の低下と長短の金利差の縮小の押し下げを図り、併せて、マネーサプライを増加させることにより、物価の上昇を図ろうとしています。マネーサプライの増加を通じて物価上昇を図ると言うのは上述の、経済は手出しする必要なのは神の手だとの理論派そのものの主張ですが、他方では政策目的達成の為には意図的に金融政策採用すること、及び金利の変動を政策手段に選択することは、逆に神の手を払い除けることに成っています、つまり本邦初の2月16日施行のマイナス金利策です。
日本政府の現在の最大の経済目的は景気、即ち経済成長であって、その中心的政策は内需拡大です。麻生財務大臣の「年寄りは何時まで生きるつもりだ」暴論は、日本独特の個人金融資産が貯蓄で塩漬けされ、お金が内需経済刺激の原動力に成っていないことへの痛烈な皮肉でした。

消費税2%引上げ再延期は、最早危険水域下に在ると見られる財政構造下でも積極的な財政出動こそが、今の政府の具体的措置で在ると視ます。

ところが、内需拡大を推奨した上文の近代経済学政策は、豊富な労働力の余剰資源の存在を前提としたもので在ります。日本国の様に労働力が減少しつつある日本国で成長率高め様とする為には、何よりも可能な経済成長の天井を高めることに尽きます。

即ち、潜在成長率の引上げが必要であり、その手段としての構造改革の強力な推進が不可欠で在ることは、上述のマクロ経済学の理論を学んだ財務官僚と日銀官僚の常識イロハのイと強調しても過言では在りません。

日本国の、経済学会の経済理論全体の体系的な把握の不足と、それに基づく政策提言が、なぜか政治寄りの短期的な目先の成果を診る視線思考と相成り、今日の日本国の歪な経済政策を実はもたらしているのではないかと思われ危惧しています。日本に、いま大事なのは構造改革です。

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