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【プルマガα】英国不動産暗雲影響大、英リート大幅下落(寄稿29回目)

Posted on 2016年09月16日


プルマガα29

今月は山梨市の物件の決済が30日に確定しました。
医師の方の資産管理法人での決済S様ありがとうございます。
時間が掛かり申し訳ございませんが無事決済を迎えられそうです。

今月は既に10棟ほどの契約見込がございますので物件取得をお考えの方は急いでご面談にいらしいて下さい。
*ご面談の無いお客様には物件の御紹介は行っておりません。

それではプルマガαに入らせて頂きます。

 

6月23日、英国の国民投票は、EU離脱派の勝利に終わりました。

未だ不確定要素は多いですが、英国不動産市場へマイナスの影響は避けられないと投票前から指摘されていました。高値圏にあった英国不動産市場は、原油安や中国経済鈍化などにより、海外からの資金フローの減少=世界第二位の金融都市国家英国への海外投資家の直接投資減少と英国からの投資引揚げ=海外資本家の英国投資資本棄損化防止で、投資減少が懸念されていました。

更に、今後は英国のEU離脱が数年内には手続き終えて離脱が現実味を帯びたことで、今まで活況を呈してきた英国不動産市場が転換点を迎える可能性が出て来ました。既に不動産市場は離脱ショックで価格下落現象が出ています。

先ず、英国内問題としてEU離脱が英国内の住宅価格に与える影響は、英国財務省が5月に試算結果を示しています。
試算に因るとEUに残留した場合と比較して、今後2年間で住宅価格は10%低下して、離脱の影響が深刻な場合は住宅価格が18%も低下すると示しています。

また国民投票開票後のロンドン市場で、英リートが大幅に下落していることからも影響の大きさが推し量れます。6月24日に英国株式全体では3,8%の下落に留まりましたが、英リート指数は14,5%も下落して部門別で見た場合は英リートの下落率はトップと成りました。

時価総額の大きい主要英リートを見ても、国民投票後の2営業日では概ね17%~35%下落しています。またロンドン中心部等にオフィスを多く保有する英リートの下落率が高いのが特徴に成って居ます。

※ここでEU離脱が英国不動産市場に与える影響を診て視ます。
収益還元法に基づくと、不動産価格は正味の損益差引純営業収益で表すことが出来ます=正味利益の「NO1」です。

[1]空室率増加でNO1の減少=収益不動産価格が下落する。

世界の金融大手など多くの多国籍企業がロンドンに拠点を置いているのは周知の話で、世界最大金融機関の香港資本系銀行もそうです。
然し、EU離脱した場合には、税負担増加やEU域内での金融サービス提供に支障を来たす可能性が避けられないので、フランスやドイツ等の他のEU加盟国の都市へ、オフィス拠点移転を必ず検討すると指摘されています。依然と世界の金融街であるシティなどロンドン中心部では、今後はオフィス空室率が上昇して行くことに成ります。
オフィス労働者もロンドンから減少し、国民投票の争点で在った移民も抑制されますから、逆に優秀で必要な高度知識層の外国人の流出も見込まれることから、人口の伸びも緩やかに成るでしょう。
これは、住宅やその他の不動産部門にも悪影響を及ぼします。

[2]予想出来ない経済動静の不確実性から高まる価格下落の要因。

英国民はEU離脱を選択したものの、EUとの離脱協議がどのように進むのか如何理解しているのかは、実は不透明な点が多いのが現実です。
本当に英政府が離脱申請を行うのかも、まだ定かでは在りません。
また、今回の投票結果を受けて、フランスやオランダなどでEU離脱の機運が高まる可能性が在るので、EUの将来に対して大きな不安を投げ掛けて、将来への不確実性の要因を創出することに成りました。
これは世界経済にも先への経済動静の不確実性を高め、離脱協議の先の不確実性と合わせて、投資危険視機運を高めることに成り得ます。

[3]ポンド安で更に投資危険視機運を高め価格の下落に繋がる。

英国不動産市場の特徴の一つとして、海外の投資家が多いということが挙げられます。海外の投資家が為替ヘッジを行っていない場合は、ポンド安が進むと評価損が発生します。これは投資危険視機運を高めて価格の下落に繋がります。海外の投資家からの投資流入を減少させる要因の一つと成ることが十分に見込まれます。

また、短中期的には未だ確実に想定は難しいですが、先の英国経済の不安感が払拭されて来れば、ポンド安は海外の投資家にとっては英国不動産の割安感を高め、逆に英国不動産価格を押し上げる要因と成ることも在り得ます。丁度、昨年迄日本に海外からの不動産投資が集積して来た事実と重なり合います。今が買い時の英国不動産です。

[4]経済成長が鈍化したら望むNO1は低下し不動産は下落する。

今後、離脱協議に伴う新たな先の経済への不確実性が生まれたことに因りにより海外からの投資が減少する可能性が在ります。
新たな、離脱と言う初めてのEU間の貿易協定の内容に因っては貿易が減少することが見込まれますので、英国経済の成長は鈍化することが予想されます。また景気後退に陥るとの見方も在ります。

前述の英国財務省の試算ではEU離脱した場合と、残留した場合と比べ、GDPは3,6%低下し、深刻な影響が生じた場合にはGDPが6,0%低下すると示しています。英国は大戦後の世界各国の復興経済の元を創った経済学理論を創出し実践して来た、今も尚世界の経済政策理論の要の国ですから、どこかの国の様に毒も薬も同時に服用した結果が分け判らない事態に陥った等の様なことは在りませんので、予想GDP低下数値は素直に受け止めます。

なお、英国の不動産商慣習は長期契約が一般的ですので、賃料改定は値上がり時のみとする場合が多いです。従って、賃料が低下しNO1が押し下げられるまでは可成り時間を要する可能性が在りますが、望むNO1は結果的に低下して、不動産価格を押し下げることに成ります。

他にも英国不動産市場に影響を与える要因として、英中銀の利下げ期待やリスク回避によりリスク低下や、信用市場の混乱に伴って借入コストが増大する可能性も考えられます。但し、前述の要因と比較して、その影響は限られたものに成るでしょう。

然し、これらの不動産価格下落要因は、今後の離脱協議に依拠するところが多いのです。

離脱協議のプロセスは依然として不透明で、予定される2年後ではなくて更に長期間に渡る可能性が予想されます。

先の経済動向への不確実性が高い為に、今後は離脱がどれほどの影響となるか予想するのは誰しも困難なのです。せめて、世界的規模で1ヶ国分の経済分析能力を企業単位で能力を持つ、世界最大の投資会社米国ブラックストーン社なら動向が掴めているでしょうが、そのブラックストーン社は英国大手不動産会社が日本に保有しているレジ不動産を、昨年2000億円で買収していますので、何やら既に掴んでいると察する次第です。

一方、今回の国民投票の結果が英国不動産市場にとってマイナスに影響することは間違いなく、今回の国民投票が英国不動産市場の転換点となる可能性が在ります。その予想される市場はマイナスの世界ですが、※意外と経済活発化したら逆にポンド安で「今がお買い得の英国不動産」の世界に成る蓋然性が在り得ます。予想しない展開に進むのが常ですから今後は経済への不確実性の方が大きくて、望む方向に成り得るのかはさっぱり今の段階では動静は判りません。

時代は変わる ー 。これまでの不動産の枠にとらわれない目線で不動産を再考し、
お客様のウェルビーイングの向上を目指します。

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