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【プルマガα】アジア諸国保険会社が新たな不動産投資の座に(寄稿58回目)

Posted on 2017年03月17日


3月も折り返しを迎え、だいぶ温かい日が増えてきましたね。
3月は合格発表、卒業式、お引っ越し、花粉対策等々、新年度に向けた準備で足早に過ぎ去っていきますが、
とりわけ不動産投資家の皆様が気にする行事は銀行の決算でしょうか。

不動産投資家の中には、様々な種類のプレーヤーがおりますが、世界各国の保険会社等も低金利の煽りを受け、世界のあらゆる不動産に目を光らせています。

今回はアジア諸国の保険会社という、普段はなかなか意識することのないプレーヤーの動きを追った記事になります。

ぜひご一読下さいませ。

それでは、プルマガαに入らせて頂きます。

 

いま、中国の保険会社を中心に海外不動産投資が増大しています。

中国経済の危うい失速懸念の中で、なぜ中国の保険会社を中心にして海外投資熱が高じてるのかの疑問が中国国体制度に在ります。

そもそも、21世紀に置いても中国自体に預金に保障制度が揃っていませんでした。つまり預金保障限度額もないのが同然でした。

そして、中国はドルやユーロや円でも一定額以上の預金額は政府が人民元に両替してしまう金融制度の仕組が在ります。つまり優良な外国の金は政府の預金(=準備高)に為っているのです。
中国の準備高が1月末で330兆円余と一番多い保有の座を保ってる理由はそれが原因(まるで強制的に徴税する様な仕組)なのです。

その準備高が4年に渡り減少しています、相場支えの為に一生懸命に市場に注ぎ込んでいますが、いずれ終焉がやってまいります。

さて、アジア各国で保険市場成長を背景に保険会社による不動産投資の拡大が続いています。中国経済の危うい失速懸念などから、アジア域内での不動産取引は、アジア各国が縮小マインド傾向に在りますが、一部のアジア保険会社はアジア域外への積極投資によって不動産投資の拡大を継続しています。

リーマンショック後の海外不動産投資には、中国の動静に波が出た代わりに、他のアジア各国が日本の不動産投資強めて来ました、シンガポールが官民と一体と成って日本7大都市の収益不動産取得に走っていました。その、アジアの海外不動産投資家である保険会社による海外収益不動産投資の現状見てみます。

近年のアジアの保険会社による不動産投資の拡大は目覚しくて、台湾最大手の保険会社が日本生命保険を上回って、アジアの保険会社で最大の不動産投資家と成りました。中国本土の新しい大手保険会社も、積極的な不動産投資拡大して注目されています。

アジアの保険会社による不動産投資の拡大は、新興国等を問わず、各国で近年続く保険市場の高成長を背景に不動産投資しています。
その多くの保険会社が、保険事業と運用の資産規模の拡大に準じて不動産投資を拡大してきました。

アジアの保険会社の中でも、特に台湾や韓国の保険会社は不動産投資に積極的です。総資産における不動産の比率が、日本の保険会社の数値を大きく上回っています。台湾や韓国の大手保険会社は、中国経済への懸念から自国内の不動産取引が縮小している中でも、海外への積極的な不動産投資によって投資を拡大してました。

実際に日本、台湾、韓国の主要な保険会社について、リーマンショック以降の海外不動産投資の事例をみると、日本と台湾および韓国の保険会社で明確に姿勢のスタンスの違いが各々観て取れます。

日本の保険会社による近年の海外不動産投資事例は、東京海上日動火災保険がシンガポールで自社で使用するオフィスビル取得した1件のみでした。一方で台湾、韓国の保険会社は、投資目的の海外不動産投資を継続的に実施しています。

台湾保険会社は例外的な中国の事例を除けば、全て欧州のオフィスビルに投資しており、特にロンドンのオフィスビルに集中しています。
また、台湾の保険会社は単独で出資を選択しており、最大手の保険会社が大規模なオフィスビルに投資している以外は、総じて投資対象の規模を抑えています。

一方、韓国の保険会社は北米に積極的に投資しており、欧州でもロンドンに限らず南欧にも投資しています。また、投資組合組成し他の投資家等と共同出資する事で、案件あたりの出資額を抑える事で超高層ビルや大規模ビルを投資取得対象としています。中には、国内のライバル保険会社と共に投資組合組成する事例も在りました。

最近では、中国本土の保険会社も海外不動産投資を積極化してます。
中国本土では、規制緩和による不動産投資解禁以降の年月が浅くて、依然として総資産に対する不動産の比率が低いのです(そもそも共産主義で土地私有制度が無い国でしたので)。その為に、保険会社の不動産投資拡大の余地は一段と大きく成り、国内のみに止まらず海外でも積極的に投資機会を追求しています。

実際に、中国本土の保険会社による海外不動産投資の事例をみると、最大手の中国平安保険や中国人寿保険が、揃って積極的に海外不動産投資を進めています。そして3番手以下の保険会社も海外不動産投資を進めていて、中国本土の保険会社による海外不動産投資は、台湾や韓国に比べても裾野が広くて今後の広がりも大きいと見做されます。

又、中国本土の保険会社は2014 年のロンドンオフィスビルやカナリーワーフタワー取得や、2015年のニューヨークの高級ホテルやウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク(2千億円)の取得等や、更には2016 年のニューヨーク・マンハッタンのオフィスタワー(18百億円)の取得等で、台湾、韓国の保険会社の事例をはるかに上回りました。世界的に巨大な取得事例に為っています。

そして、中国本土の保険会社は子会社などを通じて海外で不動産開発に乗り出すケースもみられています。特に不動産開発に積極的で複数の開発案件に投資している子会社も散見します。中でも、シドニー中心部で現地のレンドリースと日本の三菱地所と共同して、超高層オフィス商業複合施設を再開発する計画は、全体の5割も出資して、新たなシドニーのランドマークビルの開発を主体的に手掛ける立場と為りました。

このように、不動産投資の拡大を続けるアジアの保険会社は、自社の本業の保険市場成長を背景にして、海外の不動産にも積極的に投資しています。また、各国の保険会社の動向には特徴がみられて、特に中国の本土の保険会社については、上述の通りに世界的にも大規模な取得事例が多くて、また開発案件にも子会社などを通じて積極的に取り組むなど、今後その動向が注目されています。

そして、不動産投資市場全体でみると、これまでアジアの投資家では、シンガポール政府投資公社や中国投資有限責任公司などの外貨準備の運用機関や各国の年金基金といった投資が知られてきました。

主にシンガポール政府投資公社の運用資産の拡大に伴って、アジアの投資家によるアジア域外での不動産投資額は、年々大きく増加してます。

中国本土等のアジアの保険会社は、リーマンショック後のシンガポール政府投資公社に追随する形で、海外不動産投資家としての存在感を高め、世界の不動産投資市場において主要なプレイヤーとしての役割を担いつつ在ります。

日本国内では、シンガポール政府投資公社以外に、アジアの保険会社による不動産投資は本格化していません。しかし、投資に向けた調査は進められており、今後、日本国内でもアジアの保険会社による取得事例が増加して、主要な新たな海外の不動産投資家(アジア各国の保険会社)として、投資家の一角を占める可能性が台頭して来ました。
シンガポール政府投資公社やシンガポール民間投資会社が、リーマン後に50千万円単位のレジデンスまで福岡市で取得を進めていました。

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