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【プルマガα】九州が訪日外国人観光需要増大中(寄稿60回目)

Posted on 2017年03月31日


お世話になっております。PULLUPです。
いつもプルマガαをご覧頂きありがとうございます!

本日はプレミアムフライデーでございますが、いかがお過ごしでしょうか。

東京都内は4/1(土)〜4/2(日)が桜満開の予想日とのことです。
今年度も今日で最後、新年度に向けて期待も高まってきますね!

今回のプルマガαは昨年度の訪日観光客増加の要因についての記事になります。
今後も増加が見込まれる訪日観光客の動向からは目が離せませんが、九州は特に増大の一途を辿っております。
ぜひご一読を。
それでは、プルマガαに入らせて頂きます。

 

1月中旬、博多港中央埠頭にメガ浮桟橋が登場しました。

1/3分で、あと2つ繋ぐようですが、1つでも見上げる様なメガ浮桟橋でした。あらゆるメガクルーズ船に対応するとの事です。

2016年の日本の訪日外国人旅行者数は2400万人近くに達したと思われます。九州でも観光・宿泊・小売販売における訪日外国人の存在感は高まっています。
しかし、全国と比較して国籍では九州の地勢上で韓国人が多く、クルーズ船を初めとする海港からの日本の入国者が全体の半数を占めるなど、全国における平均的な訪日客の国籍や入国方法とは大きな相違が在ります。

その意味で、九州の訪日外国人のインバウンド需要現況を整理して分析してみます。

日本では訪日外国人旅行者数の増加が続いており(2016年1~11月は前年比22%の増)、2016年は2400万人近くまで達する可能性が高まっています。九州への入国者数(九州の港湾(空港・海港)を利用した入国者数)も、6月の熊本地震の影響にも関わらず、10月までに305万人と昨年一年間の入国者数283万人を上回りました。
2016年1~10月は前年比32%増です。
熊本震災の影響で4月以降に増加率は低下しましたが、そのペースで推移すれば、2016年の通年入国者数は360~370万人に達する見込みです。

九州への国籍別入国者の特徴として、韓国人の多さと、入国方法にも関係しますが、クルーズ船による入国(国籍は非開示)の外国人旅行客の多さがあげられます。2015年の九州への入国者数283万人のうち、韓国からが最も多く全体の43%でしたが全国では21%も占めて、次いで台湾の10%(同17%)、中国7%(同21%)、香港の5%(同7%)と続いて、クルーズ船での入国者は28%(同5%)でした。
なお、2016年はクルーズ船による入国者数が急増した為、九州での国別の構成比は低下がみられました。

クルーズ船による入国者は2015年より急増しており、特に夏期に急増する季節性が在ります。クルーズ船を除くと、6割を韓国からの入国者が占めて、九州にとって最も重要な訪日客となっています。しかし、2015年の韓国でのMERS病が流行や、2016年の熊本地震は韓国からの旅行者数を減少させました。
そのため、九州全体の外国人入国者数の大幅な減少が危惧されましたが、逆にそれを補完したのが、クルーズ船による入国者の急増でした。

クルーズ船の日本への寄港回数は急増しています。
2015年の1454回(日本船・外国船の合計)から、2016年は11月までで1907回となりました。1~11月は前年比38%増です。
その寄港回数の増加に伴いクルーズ船による入国者数も急増し、2015年の全国107万人から、2016年は10月までで1679万人となりました。

クルーズ船入国者に占める九州の港湾からの入国者構成比は高く、全国の71%に達しています。特に、博多港と長崎港は重要で博多港の受入れは全国の40%、長崎港は21%に達してます。

九州の外国人入国者の大きな特徴として、海港からの入国が51%(全国は10%)、空港からの入国が全体の49%(全国は90%)と、海港からの入国が半数を占める点があげられます。その比率は、すでにみたように39%で(全国は8%)と4割に近い比率を占めていますが、クルーズ以外の海港からの入国(主に、博多港と対馬の港湾で韓国からの入国の人数)も12%(全国は2%)に達しています。

港湾別には、福岡空港が外国人入国者全体の43%を占め、次いで博多港の26%、長崎港12%、比田勝港(対馬)5%、鹿児島港3%、厳原港(対馬)2%、鹿児島空港2%と続いています(10月迄)。
このように、福岡空港と博多港で九州全体の70%を占めて、福岡空港と博多港での旅客機や船舶の受入れが上限に達していることを考えると、他の港湾を通じた入国者受入れの早急な拡大が求められます。

政府は、明日の日本を考える観光ビジョンにおいて、クルーズ船による入国者数を2015年の112万人(概数)から2020年に500万人に拡大する目標を立て、クルーズ船による外国人受入れ拡大の方針を明確にしました。現在、クルーズ船による入国者数の7割が九州からの入国で、しかも博多と長崎の2港で6割を占めています。博多港では大型クルーズ船の受入れが上限に達しているため、さらなるクルーズ船受入れのために埋め立てを含めた冒頭の中央埠頭整備計画平成30年代後半を進めています。
これにより、外航クルーズ船の寄港回数を2014年の99回から400回へと拡大するとしています。

週刊ホテルレストランのデータによると、近年、福岡市内の主要ホテル客室稼働率は上昇が著しく、熊本地震が発生した2016年も高水準で推移しています。客室稼働率の上昇に伴い、客室料金も上昇傾向に在ります。

県別の客室稼働率は、熊本地震が発生した4月に、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県で大きく低下しましたが、その後の九州ふっこう割などの政策効果もあり、稼働率は大幅に回復しました。宿泊施設のタイプ別にみると、リゾートホテル以外では県別の大幅な稼働率格差はなくなっているようです。

外国人の延べ宿泊者数は、訪日外国人旅行者数の伸びを反映して、全国同様、九州でも大幅な増加が続いてきました。熊本地震の発生後に大幅に減少しましたが、その後、回復が進んでいます。
九州への外国人入国者数に比べて、外国人の延べ宿泊者数の落ち込みが大きいのは、熊本地震後に宿泊需要を生まないクルーズ船による入国者が急増したためです。

なお、九州の外国人宿泊者として圧倒的な存在感を誇っているのが韓国人です。九州の宿泊施設における外国人延べ宿泊者数のうちの35%が韓国人で、次いで台湾20%、中国12%、香港12%と続いています。ただし、韓国人の滞在日数が少ない事が示されています。

ホテルも開発進展に加えて、ホテル不足解消のための行政による規制緩和も進んでいます。福岡市では2016年12月に高級ホテルを建設する際の容積率を1,5倍に緩和する施策を公表しました。
福岡市はまた、同じ2016年12月から、旅館業法施行条例の改正により、マンションなどの共同住宅内での民泊(簡易宿所)の営業を可能とする規制緩和を実施しました。北九州市においても、2017年1月から国家戦略特区で認められた特区民泊の営業が可能となりました。

2016年は中国での関税率の変更や円高の進展から、訪日外国人旅行者の1人当たり旅行支出額が大幅に減少しました。
爆買いの終了は、全国の百貨店の免税品売上げに大きなダメージを与え、前年比では8ヶ月連続で減少が続いています。ただし、購買客数は前年比増加が続いており、購買単価の下落も底を打ったようです。

なお、2025年は団塊世代が75歳以上の後期高齢者となります。
2025年以降は日本人旅行者数そのものの減少が懸念されることからも、外国人インバウンド観光の拡大は、九州の地域経済にとって現在以上に重要になります。

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