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【プルマガα】中国GDP6.5%前後に減速、リスクはバブル崩壊とトランプ (寄稿71回目)

Posted on 2017年05月30日


【1】中国経済成長率は上向きと新聞の海外経済が表しています。
1月、国家統計局が公表した10~12月期の実質成長率は(3週間後でジェット機並みの早さです)、前年同期比で6,8%増となり、2年ぶりに前四半期の伸びを上回っています。


【2】一方、インフレ率は原油高・人民元安・住宅価格上昇等受けてやや上昇しています。
2016年の消費者物価は、前年比2,0%上昇と、2015年の同1,4%上昇を上回っています。
また、工業生産者出荷価格は同1,4%低下と、2015年の同5,2%低下から下落ペースが鈍化し、デフレの圧力は緩和して来た様です。


【3】需要面の動きを見ると、個人消費は中間所得層の増加や雇用情勢の安定等が強力なプラス要因と為りますが、所得の伸び鈍化、インフレ率の上昇、小型車減税の縮小、住宅規制の強化などマイナス要因も目立つため、伸びは小幅に鈍化すると予想しています。
小型車に付いても、中国では燃料消費量が多い車の処分売り等にも1台当たり20万円程度の助成金が在ります。


【4】投資は、製造業の過剰設備・過剰債務の圧縮、バブル退治に伴う住宅着工の減速や、社会基盤インフラ投資政策の実施スピードの調整などでマイナスの要因が目立つものの、企業利益の底打ちや製造関連領域に対する政府の政策支援(助成金)などプラス要因もあるので、小幅な鈍化に留まると予想されています。

政府の政策支援が他国に分り辛いですが、例えば輸出企業にも助成金が在ります。
そもそも、中国の製造業はエ場での製造コスト切り詰めのために、先進国では当り前の環境整備(汚染・安全・労働・法令等の遵守精神)が失せていますので(その分、コスト安)GDP2位大国の今でも、中国は数十年前のなんでも利潤追求の思想に塗れていると思います。

本来、その様な単に利益が上ればと利潤追求第一主義は、戦後の日本もそう言う悪い面が在って、先進国より日本はエコノミックアニマルと蔑視されていました。
そう言う道辿って精進し、国際社会正義遵守する今の成熟した日本が在ります。
中国にも、そう言う国際社会道徳遵守が国内的にも社会環境改善上で今後求められます。


【5】輸出は、中国も今年の米国の持続的な景気拡大次第等がプラス要因となりそうですが、国内エ場(内外の中国進出上場企業)の後発新興国への工場移転は止まらず、今のところ前年並みに留まると予想されます。

新興国への工場移転は、いずれにせよトランプ大統領が中国製品に輸入税付加する蓋然性が強い為に、更に製造コストが低い新興国に工場移転させる事で、トランプリスク回避に在ります。
つまり、アメリカに輸出製品が大衆用品を占めているので、輸入税が付加されたらアメリカ国民の買入が減少するのです。
アメリカにとっては安物大衆用品輸入先が、単に中国より新興国に替るだけで、何も問題が無いのですが、中国は外需減少の大問題に成ります。


【6】一方で、中国人民銀行の金融政策経済、景気重視の立場から住宅バブル退治に重点が移ったと見られます。
景気失速懸念が高まった昨年は、景気対策(財政出動で景気)として社会インフラ整備を加速させるとともに、低金利を維持して住宅ローンの増加を事実上黙認したために、住宅バブル問題が更に深刻化してしまいました。
中国の当面の金融政策は、将来に大きな禍根を残さぬよう住宅バブル退治に重点を置くと見られます。

中国の住宅バブルの裏の面が、鬼城と言う言葉に象徴されています。
地方政府が財政出動で高層マンション群乱立させたのに、住人が誰も居ない現実のゴーストタウンが所在しています。
つまり、要もないのに財政出動で高層マンション群乱立させたら、内需拡大=GDP押上げに一番良い・手っ取り早いGDP成長に為ります。

問題が、毒(財政出動)と薬(低金利維持)の相容れない2つの政策が主要政策に為っている事です。
毒と薬を合せたゴクリ飲みが続いたらどうなるのでしょうか。
日本も4年間アベノミクス政策で、マネタリー・ベースで400兆円の残高に為った侭です。
(いま、日本は経済が4倍増のアメリカと同じ400兆円なのです)

低金利維持政策も日銀黒田総裁が今後も継続すると9月に表明しました。
習主席が一番嫌がる安倍総理の真似をしだしている様に視えますが、一番大事な経済政策がGDP成長に在りますので、やる経済政策は構造改革のみです。


【7】経済見通しとしては、2017年の実質成長率は前年比6,4%増で、2018年も同6,4%増と、6,5%前後の経済成長に留まると予想しています。
消費者物価は緩やかな上昇と予想しています。
ただ、リスクを挙げれば切りが在りませんが、中国経済で一番注意すべきは住宅バブル崩壊(いつまでも在ると思うな、金)とトランプシフト(輸入税アップで中国経済が潰れてしまいます)と視られます。

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