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【プルマガα】AIIBに対するアジア開発銀行ADBの存在と、都知事(寄稿77回目)

Posted on 2017年06月20日


中国が主催のAIIBに対して、日・米が主催のADBはアジア・太平洋における経済成長及び経済協力を助長して、開発途上加盟国の経済発展に貢献することを目的に、51年前に設立されたマニラが本店の国際開発金融機関です。

5月4日、横浜で第50回アジア開発銀行ADB年次総会が開かれました。

20年前に第30回ADB年次総会が福岡で開かれています。
大蔵省広報誌に「その的確な総会運営や、地元を挙げての歓迎イベントの充実ぶりは参加者に大好評。これが、福岡の知名度を国際的に広げると共に、地方都市の能力の高さを示し、日本の潜在能力の高さをアピールすることが出来た」と載っていました。
20年前は、福岡も6年余続いた第一次不動産バブル崩壊の後始末で銀行も融資渋っていた時代でした。

今のアジアの入口としてみられる福岡を、その中心の九州経済の活況は、その後の各種努力の結果でもありました。

当時、福岡市長は元労働次官で福岡市助役に就任後に市長に為りました。
市長は福岡の国際化を強力推進しました。
当時、大蔵省に福岡市の助役の訪問を受けた職員は、「福岡でする国際的な催しはないのか、それを求めて福岡出身者を頼りに霞が関を廻っているんだ」と情報提供依頼されていました。

その際に、サミット先進国首脳会議や、IMF・世銀総会とADB総会等の催し情報を福岡市が得た様です。

その随分後に、福岡市職員が上京してADB総会を福岡に誘致したいので開催準備を知るすべはないだろうかと打診してきました。
ADBアジア開発銀行は、日本が提唱し創設した国際金融機関で、その創立総会は東京で、その節目の第20回総会は大阪で開かれていました。

そして、30回目の総会を福岡でという福岡市の打診は良い考えだと霞が関側が思いました。
それで、大阪総会主催した関係者に当時の関係資料で開示出来る物を福岡市に見せて欲しいとの依頼を為しました。
その後、関係者が直ちに福岡市に向かうと返事をしたとの事です。

福岡市職員の山笠で魅せる熱い博多っ子の思い「良かろう~もんっ」精神が良く分かった様でした。
更に地元福岡の動きは早かったのです。
福岡ADB総会の際に福岡商工会議所会頭(西銀、元大蔵省)が極めて積極的で地元の結束力は固く、競争関係の西銀と福銀と福岡シティの各頭取が、そろって年1回開かれるADB総会に3年連続して出席し、福岡アピールをしていました。
銀行が足並み揃えるなんて...の時代です。

但し、問題はどうやったら福岡が国内候補地に選ばれるのかという、そもそも如何するんだと言うことでした。
福岡が大蔵省に提出した資料に、当地各施設や行事運営能力が第20回ADB総会主催の大阪に比べても遜色がないと示されていました。

しかし、福岡市以外にも誘致を検討している所がありました。
名古屋市は熱心な誘致市の1つで、既に立候補意志表明していました。
更に、広島や横浜も検討中だとの情報が大蔵省に入って来ました。

そして、当時の大蔵省国際金融局長は、なんと東海財務局長(名古屋)の経験者で在った為に、ADB総会の名古屋開催に強い興味を持っていました。
でも、総会を所掌の国際金融局援助部門の部下達は、逆に今迄の流れで福岡に強い思いが在りました。
福岡で「良かろう~もんっ」の博多っ子精神が浸透しでいたのです。

第25回マニラ総会で大蔵大臣が「福岡が名乗りを上げている、どう思う?」という記者質問に、事前想定問答集を準備したのが国際金融局援助部門の部下たちでした。

実際に、その質問が記者から来てしまったのです。
そしたら、大臣が「私は隣の山口県出身なんだ。福岡県は積極的に応援するよ」と想定問答にないソレ以上の驚きの踏み込み発言をしてしまったのです。
(福岡と山口が1つの共栄圏である事実が誰も知らなかった様です)
結局福岡市に総会が決定しました。

なお、それ以前に米州開銀IDB総会を主催した名古屋は、大蔵省に説得されて辞退しましたが「もし途中で福岡が投げ出したら、名古屋はいつでも引き受けます」と強烈な名古屋人らしい宣戦布告した様です。

その後では、ADB第30回総会の日本福岡誘致を表明した大臣の外人記者会見の席で、事前にパリ駐在の西日本新聞支局長(福岡市)から「福岡という所はヨーロッパで知られていない。どんな所だ」との仕込まれた想定質問答弁があり、大臣は博多っ子の様にとうとうと福岡の魅力と会議運営能力を説明しました。
それで福岡総会が事実上決まったのです。

その20年以上経った今で、この成功事例はこの種のプロジェクトの成功に必要な要素を、実に簡潔に凝縮しています。

それは、【1】明確な戦略に基づいた長的な計画基に、【2】自治体の長による強力なリーダーシップと、【3】その意志を支える職員の情熱と能力と、【4】地方と中央の緊密な協力態勢と、【5】財界もメディアも含め地元全体が一致団結したサポート体制の醸成で在り、【6】それに理解が在り観る目が在る政治家の支援です。

【1】~【6】の情熱の糸で繋がった体制です。

恐らく、結局は、こういう国際的な事業催しに成功した地域自治体が、今の地方活性化の時代に勝ち残る自治体の姿だろうと想います。

その視点で東京オリンピックの現状を観ると、東京の一致団結振りや、政府との緊密さや、観る目が在る政治家の支援力に勢いが失せている様に観えます。
結局は、最後は政府が後始末すると踏んで、オリンピックそのものに対して在る種の政治的な取引=政局に繋げて利用している様に思えます。
そう言う都政の有様では、先で良い分が在りません。

その理由に、先日、都知事が事実上の豊洲移転宣言(=都民ファーストの会の事実上の勝利宣言)をしました。
まるで変節したような180度宣言ですが、 都議選大勝利が間違いない今なら豊洲移転宣言しても都民ファーストの会の支持率がそんなに落ちないと踏んだのです。
みんな、豊洲移転が都知事の当初の本心と知らなかった様です。

さらに、都知事は移転宣言のあとに、都に国際金融都市創出すると宣言しています。
その様な、大事業実現性は都自身に能力が在りません。
そもそも、その様な能力を持つ都官僚や部署が在りません。
安倍内閣が前面に出て国策と為して、上述の【1】~【6】の情熱の糸で繋がった体制創りが先なのです。

また、その様な大事業は事前に政府と霞が関へ内密に了承得るのが政治家のマナーなのです。
都政で、都民ファーストの会が与党に成ると都政が安定するので何とでも言えます。
今迄と違い、都議選後は都知事のロが達者に成り益々能弁に成ります。
でも、政局に繋げる様なそう言う都政の話題創りの有様では、先で良い分が在りません。

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