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【プルマガα】世界外食市場の最新動向、米国大手不動産会社の調査 (寄稿86回目)

Posted on 2017年08月26日


総合不動産サービス業のアメリカのクッシュマン社が7月発行のグローバル外食市場レポートで、世界の外食市場(F&B)で主な動向がSC利用ニーズの一変化でした。
新たな動向で在り技術です。
SC内の飲食テナントに対して、今のSC施設側がどう言う思想で運営に対応しているのかの違いに注目しているのです。

SC運営に対して、他店との差別政策が品ぞろえの差や、値段の安さや、アトラクションの多さよりも、飲食店のレベルの高さに違いが在ると視ているのです。
それが無い店が有る店に浸食されて淘汰されているので、正しくSC業界の存続問題に為りつつ在ります。

EUでも、日本人に因る或いは日本で修業した料理人の日本料理店やラーメン店の急増も同じで在り、どの地域でも本物指向が浸透して、ショッピングセンターが消費ニーズに対して重要視して市場の膨張に利用していました。
3年前の流行語ドント韓国と同じ風潮です。
TVで、外国の在り得ない驚きの日本料理番組が色々在りますが、同じ話で在り美味しいものが本物だと分り切っています。

世界主要地域において、アジア太平洋地域が最も外食支出が伸長している地域です。
2016年までの10年間において年率9,8%と言う伸びが示されています。

今まではショッピングセンターSCにおける外食業界F&Bスペースは10%程度だったのにもかかわらず、消費者とSCの双方からのニーズの高まりをうけて、今やSC総面積の20%~30%を外食F&Bに割くSCも出てきています。

SCにおいては、単なる飲食店舗の配置拡大にとどまりません。
消費者の食への興味の高まりから、外食F&Bスペースは単に食べるだけではなく、他の商品を買う・F&Bで食べる・そして学ぶといった要素を組み入れて、SCがエンターテインメントと1つの教育の場へと変容しています。

以前、主婦の方がイオン夢タウンに行ったら何時もアトラクションが在るので子供たちが楽しがると語っていたのを想い出します。
その様なエンターテイメントが街の商店街やスーパーやデパートに無いのです。
パチンコ店の様に駐車場の充実で売り上げが左右される時代ではないのです。
その発展型が、本物指向の今の外食F&Bスペースで在り、リゾートホテルと同じレベルの色んな専門分野の料理の提供で在り、食べて料理を学べるのが今のSCの本物指向外食F&Bなのです。

2016年、外食消費支出における世界5大市場は、アメリカ・中国・インド・スペイン・日本です。
その日本飲食業界の海外進出が著しい今なのです。
今、ネット国際連絡社会ゆえに消費者側が実に子細掌握しています。

外食市場全体の売上のうち、年中24時間フルサービスタイプのレストランは現状が約60%程度です。
将来的には、カフェタイプの業種が成長していくことが予想されます。
単に安いサービスが良いなら24時間営業のローソン等で若者は十分なのです。

世界的にも、従来のファストフードに代表されるフードコート(しょせんフードコート料理と言う認識)とは一線を画す、高品質なスローフードを提供するフードサービス技術が流行して売り上げが伸長しています。

すでに欧米において、例えばEATALY(食のイタリーの揶揄みたいな店)のようにカウンター越しの調理を目で見て楽しみながら学び(元々が日本の寿司店の様に対面型で、西洋料理に無い対面料理発想でした)、気に入ればその場で調理してもらって関連商品も購入できる総合体験型のフードホールと言う新しい分野が支持されています(那覇市国際通りの公設市場の様なホール型もそうです)。

この流れはアジア太平洋においても強いニーズがあり、多くの飲食テナントやSCがフードホールの導入を検討しています。
なぜならSCの存続問題になっているのです。

飲食テナントにとっても、今迄の様な一般的な区画に単独で出店するよりも、フードホール型の出店で共用部分を自分でうまく利用する方が初期費用を抑えられる利点があります。

外食消費支出は、今後10年間で全地域において着実に増加すると見込まれています。
年7,5%増加すると予想されているアジア太平洋を中心に、中東アフリカは年7,3%、アメリカ大陸は年5,5%、ヨーロッパは年4,9%と成長率が予測されています。
資本主義社会が成熟して少子化の欧米でも高い成長率が維持されています。
つまり労働人口減少でもGDP成長に繋がっているのです。

技術進歩は外食市場F&B分野にも大きな影響が有り、宅配や店頭受け取りは急成長を見せています。
これにより、店側が投資する店舗面積が削減される一方で、事前にアプリ経由で注文と決済を済ませるサービスは、多くの飲食店で売上増につながっています。

SCのデベロッパーであるランドロードは世界中で知られているブランドや、新しいSCのコンセプトや、ミシュランのスターシェフ(日本のTVでも度々料理教室番組に出演しています)を迎えた店などを24時間フルサービス型のレストランで誘致するケースが増えています。
料理が大好きな方には、目の前のスターシェフの説明が新鮮で驚く勉強の場に為っています。
私もミシュランのスターシェフの調味料を入れるタイミングに驚きました。
最後に入れていたのです。
ステーキでも最初に入れたら熱で調味料の風味が飛んでしまいます。

また、SCの賃貸借契約期間はこの10~15年でより短く柔軟性を帯びてきていますが、今の流動する消費性向に迅速に対応するために、さらに契約期間が短くなることが予想されます。
賃貸同士間で良い事です。

強い外食の中身で在る包容力は、SCにおける滞在時間の延長や、来館理由に良い影響を及ぼすため、結果としてSC自体の高い賃料収入に結びつくことが推測されます。
つまり施設側にも小売側にも良いのです。
まだ今迄の様なSCや街の店舗運用において、新たなフードホールの影響は未知数ですが、この多様化が売上高や収益性の上昇に寄与することが期待されています。

今までの不動産投資の枠にとらわれない目線で不動産投資を再考し、オーナー利益の最大化を目指します。
不動産による資産形成コンサルタント株式会社PULLUPにお任せ下さい。

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