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【プルマガα】国内景気の指標6月速報、製造業も意外と調子が良い(寄稿88回目)
Posted on 2017年09月22日
【1】5月貿易統計...貿易収支が2千億円の赤字。輸出が前年比15%増・輸入が18%増でしたが、予想通りの赤字でした。
5月の貿易収支は、4ヵ月ぶりの赤字で、輸出は6ヵ月連続の前年比増加でした。
世界的なスマートフォン需要の拡大により、中国などアジア向けの半導体等電子部品や製造装置輸出が増加しました。
2016年前年月は、4月に発生した熊本地震で生産・出荷が滞った反動も在ったので、米国向けでは熊本ホンダ等自動車が増加しました。
一方で、輸入は5ヵ月連続の前年比増加でした。
原産国が同調した採油調整で資源価格の上昇を受けて、液化天然ガスや石炭、原油等のエネルギー価格が連動して大幅に増加したのが原因です。
その為に全体では輸出を上回る伸びが示されています。
(…と思ったら、5月にトランプ大統領がアメリカのシェールオイル増産を指示しました。アメリカのベネズエラ潰しで見せたようなイラン潰し政策と察しますが、今後原油価格が安定です)。
【2】5月全国百貨店売上高...前年比ゼロ%でした。
5月の全国百貨店売上高は、2ヵ月ぶりの前年比減少でした。
未だに底堅いインバウンド需要を背景に、化粧品や美術・宝飾貴金属(黄金が大好きの様です)などの雑貨が好調を維持(一般の会社単位催しの宝飾貴金属オークションにインバウンドが急増中)したほか、食料品も母の日ギフトやGWの行楽需要により増加しました。
もっとも、デパートの主力の衣料品で引き続き前年割れとなったことに加えて、日曜日が前年よりも1日少なかった事が売上マイナスに作用して前年比ゼロ%でした。
【3】5月チェーンストア売上高...前年比マイナス1,8%でした。
5月のチェーンストア売上高は、2ヵ月ぶりの前年比減少です。
主力の食料品では、潤沢な春野菜の相場下落により売上が伸び悩んだほか、例の寄生虫によるセレブの食中毒TV報道を受けて鮮魚の販売額が減少しました。
加えて、5月上旬の気温低下の影響で夏物衣料が伸び悩み衣料品も減少でした。
【4】5月訪日外客数...前年比プラス21,2%でした。
5月の訪日外客数は前年比増加し、同月としては過去最高でした。
中国からの訪日客は、日本旅行土産に最大100%の贅沢税が2016年4月より初まった為に伸びが鈍化しましたが、韓国からはLCCを中心とした航空路線の拡充に加えて、昨年4月に発生した熊本地震で落ち込んだ反動もあり、大幅に増加しています。
4月の訪日外客数前年比急増は、今年4月実績については、2016年4月の熊本地震事情が在りました。
一方で、端午節や学校休暇に入った香港や東南アジアからの訪日客も増加していました。
【5】6月の日経PMI(製造業購買担当者景気指数速報~業者側の経済動静アンケート調査、生の声)...4月に対して、好不況の良し悪しの基準の50ポイント値に対して、マイナス1,1%ポイントでした。
6月の日経PMI(製造業アンケート調査、生の声)は、新規受注と生産高の増加が鈍化したことから7ヵ月ぶりの水準まで低下しました。
もっとも、対米輸出が好調な産業などを背景に好不況の判断の節目となる50ポイント(中国の産業界アンケート調査でも50%が好不況の分れ目としています)を引き続き上回っていますので、製造業の景況感は改善傾向が持続しているものと見做されます。
国内景気の現状判断と当面の見通しに付いて、
(1)国内景気の現状判断が、景気は総じて緩やかに持ち直しています。
家計部門では、堅調な企業収益や人手不足を背景に、雇用所得環境が良好な中で、個人消費は回復の動きが出ています。
企業部門では、輸出増加などを受け生産が拡大の基調にあるほか、設備投資も意外と底堅く推移しています。
(2)当面の見通しは...製造業の在庫量の復元に伴う生産増と世界的なIT需要の拡大や設備投資の回復を背景とする輸出の増加や、老朽化した設備の更新投資や非製造業での建設投資(いま20年以上も製造業の設備建設投資が停滞した侭に在ります)や雇用所得労働環境の改善などが内需拡大にプラスに作用しています。
加えて、経済対策の実施に伴う公共投資の増加も景気を下支えして、今後も緩やかな景気回復が続く見通しです。
もっとも、トランプ米大統領の政策運営などでアメリカ景気の不透明感が残っており、アメリカやEUや海外の政治動向には引き続き注意が必要です。
海外事情で振られているのが日本の景気の脆弱な点です。
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