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【プルマガα】中国経済景気は秋の党大会迄大丈夫なのか、装うのか(寄稿92回目)

Posted on 2017年11月4日


最近の中国金融市場を観ると、株価は一進一退で、人民元はやや反発、住宅価格は上昇を続けています。
短期金利は上昇し始めています。

住宅価格の高騰を受けて、政府は住宅バブル退治に乗り出したものの、住宅価格の上昇に歯止めは掛かっていません。
これを受けて、人民銀行は金融を引き締め方向にコントロール仕出して、短期金利が上昇してきました。
どうやら都心部の住宅バブルが周囲に飛び火している様です。

なお、中国は政府そのものが以前の数値未公表の場合が実に多いので、或る意味推測値で在る事も在り得ますので、要注意です。

【1】生産や製品の供給面を点検すると、4~5月期の工業生産は前年同期比6,6%増と、1~3月期の前年同6,8%増を0.2ポイント下回っており、6月の動静は未だ未反映ですが、4~6月期の成長率は1~3月期を下回る可能性が在ります。
また、製造業の調査指数はやや低下しています。
非製造業の3000社の購買担当者へのアンケート調査指数はほぼ横ばいで推移しています。
50%が拡張するか収縮するかの分岐点とされています。

中国景気指標の中でGDPへの影響が最も大きいのが世界の工場と他称されている工業生産です。
ただ、原油高などを受けて輸入が輸出以上に増加したため、4~5月期の貿易黒字は前年同期比6,9%減となっています。

【2】需要面を点検すると、個人消費は1~3月期を上回る伸びを示しており、4~6月期の成長率を押し上げる要因となる可能性が高いとみえます。

一方で、政策投資はインフラ関連や不動産開発の伸びが鈍化してきた為成長率を押し下げる要因となる可能性が高いと視ます。
また、4~6月期の貿易黒字は前年同期比6,9%減となったものの、1~3月期に比べるとマイナス幅は縮小しています。
外需不振で製造業がやや停滞気味です。

内訳を見ると、飲食や化粧品は2016年通期の伸びを上回っていますが、日用品や自動車は下回っています。
特に自動車は小型車減税の縮小を受けて2016年通期の前年同10,1%増から、同4,2%増へ伸びが鈍化しています。
但し、前年と比べると、前年1~3月の10,0%増から4~5月期は同10,7%増の推定値で在り0,7ポイント上昇しています。
個人の消費=内需拡大は4~6月のGDP成長率を押し上げる要因となる可能性が高いと視ます。

【3】その他の重要経済指標を点検すると、道路貨物輸送量は高い伸びを維持していますが、電力消費量の伸びが鈍化してきました。
また、通貨供給量は政府見通しの12%前後を大きく下回っていますが、投資に結び付くことの多い中長期の融資は高い伸びを維持しています。
企業の運転資金需要が外需停滞反映して短期融資が減っているものと視ます。
また電力消費量も生産が停滞気味なので伸びていません。

【4】中国景気の動静を見ると、実質GDP成長率を推計すれば、4~5月はともに前年同月比6,9%増と、1~3月期の実績6,99%と同じ水準を維持しています。
但し、重要経済指標を診ると景気の評価では中国景気の悪化のサインが点灯している様です。
今後、景気の先行きを注視する必要がでて来ました。

前回低下した昨年6月は、上海株暴落で民間投資が前年割れに落ち込み景気が失速の危機に直面していた時期でした。
しかし、前回は政府が社会インフラ投資財政出動を加速させたことで景気失速を免れました。
今回はどの様な展開になるか、いつもの財政出動と金利政策でGDPの底上げが出来るのか、それが通用するのかが要注目です。

中国GDP成長に与える影響の大きい景気指標(工業生産・製造業アンケート調査・非製造業アンケート調査の3つ)を用いて成長率を推計すると、16年2月前年同月比6,3%増を底に中国の景気はやや持ち直してきている様です。
そして5月は前年同月比6,9%増となっています。
分り辛いですが、当然に推定値に基づいています。

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