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【プルマガα】スルガ銀行の動静(寄稿95回目)

Posted on 2017年11月18日


【金融庁の森信親長官は就任以来、積極的な発信を続けており合併による体力強化や、地域経済への融資にこだわらないビジネスモデルへの転換を促している。そんな中、注目が高まっているのが、個人向け不動産取得資金融資の市場を開拓し、収益を伸ばしているスルガ銀行だ。】との経済専門家の意見が在ります。


一方で、スルガ銀行は9年前に金融庁からスルガ銀行融資体制検査を踏まえて業務改善命令を受けています。
つまり、今の融資審査は過大担保評価で将来のリスクを孕んでいるとの指摘だったと察します。
その時期は、ちょうどリーマンショック(本来、融資対象者として好ましくない先に住宅ローンを貸し付けていた貸付回収信用度の低い金融債権の紙屑化)が日本に上陸した時期です。

その後、スルガ銀行は2回ほど金融検査を受けている筈ですから融資審査が徐々に厳しくなっているものと察します。
【業務改善命令】とは、めったなことでは発せられません。
よほどの数の問題融資が発覚したのでしょう。
そのため、スルガ銀行に金融庁検査指摘事項を尋ねるしか在りません。


収益不動産取得融資返済が元金均等返済なら未だしも、現行の元利均等返済とは元々収入が一定して収入の20%の範囲なら返済が可能だろうと見做すので元利均等返済にしたもので在り、ほんらいは個人住宅ローンに適用させた返済方式です。

元利均等は、その様な理由で給与所得者には最適ですが、元利均等の場合は返済第一回目から殆ど利息が占めています。
返済期間が半分過ぎても元金は1/3程度しか減っていません。
然し、借入期間終了までの元利均等も元金 均等も総支払利息額は同じです。
そのため、銀行にとっては都合の良い先食い収益源になっています。

同じ似たような住宅ローンの類である収益マンション取得融資も個人ローンだろうと言われそうですが、「収益」が付く限り事業者ローンになります。
事業者ローンに於いて、返済方式は元金均等が一般的です。
20年を超えて30年余の収益不動産取得借入を元利均等返済する会社は、背伸び経営をしていると見做されます。
金融庁の検査でもその様に見做します。


今までを省みると、バブル時代は金融緩和を受けて懐が潤沢(銀行融資に頼らずとも公募で債券市場から収益不動産投資金が調達出来る時期)で、どんなに金融工学の専門家でも金余りに為ると審査が緩くなり、27年前の第一次不動産バブル終焉を思い起こさせる高額乱脈売買がリーマン前にも起きていました。

リーマン後、銀行は融資規制に走りました。
いわゆる「貸し渋り」が流行語になったほど、今では考えられない融資条件をどの銀行でも提示しました。
自己資金10~20%(その証拠証明提出)は例え属性が良い人でも数少ないものです。


実は、銀行も投資ファンドの真似をして純信用融資を重ねていました。
30年前の第一次不動産バブル勃発も、張本人は住友銀行を筆頭に都市銀行が主役になり、その銀行系のノンバンク住宅ローン融資会社やリース会社やキャピタル会社や抵当証券会社を通して、巨額の収益不動産取得融資貸し込みをしていたので、一先が焦げ付いたら雪だるま式に不良債権が膨らみ、銀行そのものが救済合併の対象に為っていました。

そのため、10年前のリーマンまでは主役が銀行から、アメリカと日本のファンドに代り不動産の高騰を招いていました。
当然に日本の不動産業界も背伸びして銀行借り入れして争って不動産購入をしていました。
それが、リーマン後にどう淘汰されたのか、銀行がどう渋ちんになっていたのかは押して知るべしで、巷では「どこそこの銀行が貸してくれそうだ」との情報が個人投資家の間を駆け巡っていたほどです。

そう言う混沌とした時期を経て、リーマン後にスルガ銀行が4,5%融資を始めたものだから、九州山口でも西京銀行がそっくり真似て来ました。
のちに、西京銀行は案件持ち込み業者に対して規制を始めました。
ふくらまし案件があとでばれて来たのです。
多分、検査で発覚したものと察します。

そして、リーマン後2年も経つと御手頃なバルク物件放出に対して、再び銀行が属性勘案で担保評価を甘く審査して来て積極的に貸し出して来ました。
実は、リーマン後の事企業設備投資融資はちっとも伸びておらず、事企業者が先の見えづらい景況下のもとでは設備投資に慎重に為っていたので、銀行としてはロットが稼げる大口融資が減少していたので収益不動産対象融資に取り組んでいました。

本来、銀行融資は地元一流会社以上や信頼度知名度の高い会社にしか純信用貸し出しはしません。
その指針を個人融資の分野で貸出ロットも数億円台とは在り得なかったのですが、全ては30年前のバブルで事企業と個人も似たような純信用貸し出しに成りました。

そう言う不動産担保評価依存の融資は償却負担の危険が伴います。
土地は良いのですが、ほんらい建物は評価する対象には在りません。
それを収益物件だからと言う理由で時価評価するから後で問題が起きるのです。
減価が大きい建物融資の代表が住宅ローンですが、だからこそ銀行は住宅ローン保証会社の信用保証を取るのです。

正しい不動産担保評価は、数年ごとに銀行は土地と建物を再評価した担保設定稟議書と債務者の確定申告書と財務分析書を添えて本部に提出しないと、金融庁検査の際に純信用貸し出し部分の理由を必ず質して来ます。
仮に、収益性に疑問符が出たら金融庁(政府)は融資回収命令を出します。


例えば1億円融資残高なら、そのうち20千万円が回収懸念分と判定されたら、メイン銀行が2/3回収して1/3を貴行が次回の検査までに回収せよと言う命令です。
すなわちシェア割です。
守らなかったら銀行にペナルティが来ます。そのペナルティの代表が財務省の天下りを容認しろというものです。
銀行頭取に財務省と日銀官僚出身が多いのはその理由が大きく、銀行は天下りを取るかどうするのか岐路に立つことになります。

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