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【プルマガα】比国ドゥテルテ政権下でGDP前年比6.5%増好調(寄稿97回目)

Posted on 2017年12月2日


フィリピンの平均年齢はなんと23歳で、日本の半分です。
近年の好調な景況を受けて若者の所得が安定して、誰しも銀行で自動車ローンが組めるようになり、この数年間は前年比で20%台の販売数に在ります。
今年は35万台販売数超えるとの見込み。

ゆえに、内需拡大=GDP成長率の伸びが著しく、今後も先の経済発展の見通しが透明なフィリピンの様ですので、海外からの直接投資が増加するものと見做されます。

加えて、フィリピン人はアシアン諸国の中ではラテン民族気質が唯一所在する明るい陽気な国民性と、大自然を保有する希少な亜熱帯国ですので、レジ ャー業界への投資発展が見込まれます。


2017年4~6月期の実質GDP成長率は前年同期比6,5%増と、前期の同6,4%増から若干上昇して、市場予想の6,4%増を上回っています。
4~6月期の海外からの純所得は前年同8,6%増(前期同5,4%増)と上昇して、国民総所得も同6,8%増(前期同6,2%増)と上昇しました。
需要項目別では、主に輸出の好調と政府支出の持ち直しが成長率を押し上げています。


民間消費は前年同期比5,9%増(前期同5,8%増)と若干上昇しました。

民間消費の内訳を見ると、通信(同1,6%増)と、その他財とサービス(同6,2%増)が低下したものの、食料・飲料(同6,0%増)と、住宅と水道光熱(同6,6%増)、交通(同7,6%増)、レストランとホテル(同11,4%増)等がそれぞれ上昇して消費全体を押し上げました。

政府消費は同7,1%増(前期同0,1%増)と、政府の予算執行が改善して上昇しました。


固定資本は同9,4%増と、高水準ながらも前期の同14,7%増から低下しました。

まず設備投資は同8,7%増(前期同16,99%増)と鈍化しました。
設備投資の内訳を見ると、輸送用機器(同13,7%増)が好調を維持する一方で、産業用特殊機械(同4,4%増)と一般産業用機械(同2,7%増)が低迷しました。

また建設投資も同7,3%増(前期同10,8%増)と鈍化しました。
公共建設投資が(同12,0%増)再び二桁増まで上昇しましたが、民間建設投資(同4,7%増)が低下しました。

純輸出については、まず輸出が同19,7%増(前期同20,3%増)と高水準を維持しました。

輸出の内訳を見ると、サービス輸出(主に労働力派遣)が同9,9%増(前期同12,4%増)と、主力のBPO(上場企業が業務等を専門外部企業に委託するアウトソーシング)の産業を中心にやや鈍化したものの、財輸出(運輸旅客サービス・電気通信サービス・金融保険サービス・技術情報サービス等)も国が同23,0%増(前期同22,8%増)と、主力の半導体や計算機を中心に好調でした。

一方で、輸入も同18,7%増(前期同18,6%増)と高水準となった結果、純輸出の成長率への寄与度はマイナス0,4%ポイントに為り、マイナス幅が前期から0,5%ポイント縮小しました。


供給項目別に見ると、第一次産業と第二次産業の改善が成長率上昇に繋がっています。
GDPの約6割を占める第三次産業は同6,1%増(前期 同6,7%増)と2期連続で低下しました。

不動産事業活動(同7,9%増)、行政国防(同7,6%増)が上昇した一方で、金融(同6,1%増)や商業(同6,3%増)、運輸通信(同3,5%増)がそれぞれ低下しました。

第二次産業は同7,3%増(前期 同6,3%増)と上昇しました。

建設業(同6,3%増)が民間部門を中心に鈍化し、電気ガス水供給業(同2,4%増)も伸び悩んだものの、製造業(同7,9%増)はラジオ、テレビ等通信機器、石油製品、金属製品を中心に堅調を維持しました。

このほか、鉱業採石業(同13,7%増)がその他非金属やニッケル、採石、粘土・砂を中心に大きく増加しました。

第一次産業は前年同期比6,3%増(前期同4,9%増)と上昇して2期連続のプラスとなりました。
農業(同8,1%増)が好天に恵まれてコメやトウモロコシ、サトウキビを中心に上昇しました。

また水産業(同2,9%減)と引き続き低調だった一方で、林業(同32,2%増)は5期ぶりのプラスに転じました。


(注)4~6 月期GDPの先行に付いて

フィリピン経済は東南アジア諸国のなかでも高い成長率を続けていますが、今年上半期は大統領選挙の関連支出で押し上げられていた昨年同期からの需要反動減によって成長率が伸び悩み、政府目標(6,5~7,5%)の下限付近で推移しています。

まずGDPの約7割を占める個人消費は2期連続の5%台となり、昨年の7%成長と比べると減速しています。

4~6月期の海外出稼ぎ労働者からの送金額は前年同期比9,2%増と、ペソ安を追い風に高めの伸びを維持していますが、雇用環境は直近2四半期で就業者数が減少したことから家計の消費意欲が弱まったものと考えられています。

また政府消費と公共建設投資は政府の予算執行の改善によって1~3月期から持ち直しましたが、前年同期の水準と比べると見劣りする水準に在ります。


(注)今後については、先の大統領選挙特需の反動減の影響が一巡するため、成長率は再び上昇すると視ます。

まず政府支出は、ドゥテルテ政権が掲げるインフラ投資計画の着手に加え、教育や農業、治安分野等でも予算額を倍増させており、景気の牽引役となると視ます。
また足元で好調の輸出も世界経済の復調によって、主力の電子部品を中心に増加基調を維持すると見込まれます。

こうした政府部門と外需の回復が続くなか、企業の投資意欲や雇用情勢への波及効果が生じて民間部門は再び勢いづくものと予想されます。

今年後半の成長率は「6%台後半へと上昇」すると視ます。
もっとも、こうした財政主導の回復基調を続けるには財源調達のための税制改革が必須条件となります。

インフラや教育、医療などへの巨額投資は年間1兆ペソ以上(約2兆2211億円)の追加資金が必要とされます。

税制改革第一弾の法案は17年5月に下院を通過しており、今後は上院が承認し、大統領が署名することによって18年度から実施される公算です。

下院を通過した税制改革第1弾の法案を見ると、個人所得税を減税する一方で付加価値税の課税ベースを拡大して、物品税を増税する内容となっており、増収効果は1年目で1,338億ペソ(3000億円)に止まります。

債務が増えると、国の信用格付けにも悪影響を及ぼすだけに、法人税を含む税制改革第2弾も急いで取り掛かる必要が在ります。

またIS系の武装勢力との戦いは長期化しています。
国内の治安情勢の悪化は、外国資本流出や、通貨安によるインフレ圧力の高まり、観光業への打撃にも繋がりかねず、今後のドゥテルテ政権が留意すべきリスクと言えます。


(注)ただ、今の時点ではミンダナオ島のISとアブサヤフと共産主義武装勢力との戦闘は政府側が優勢に立ちましたので、混迷の地域が安定するとフィリピン経済にプラスとなり海外からの直接投資呼び込みの好材料に為ります。

ドゥテルテ政権が二年目に入って政策は進み始めています。
政府が思い描くように経済を投資主導の成長軌道に乗せることができるのかどうか、フィリピン政治・経済の動向から目が離せません。
今の動静ではドゥテルテ政権為政下でプラスが見込まれます。

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