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【プルマガα】日銀短観9月調査 景況は良いが先行き不安の大企業(寄稿101回目)
Posted on 2018年02月16日
日銀短観9月調査では、一番注目度の高い大企業製造業の業況判断D.I.(景気が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値で、マイナスが大きくなると企業の景況感が悪いことを示します )が、22と景気が良いとする前回6月調査比で5ポイント上昇して、4四半期連続で景況感の改善がさらに示されました。
景気が良いとするD.I.の水準は、10年ぶり(あのリーマンショックが日本上陸前年までの景気が良い時期)の高水準となりました。
大企業非製造業の業況判断の景気が良いとするD.I.は23と前回比で横ばいとなり、底堅い景気が良いとする意識マインドが確認されました。
製造業では主に世界経済の回復が追い風となりました。
国内設備投資の回復も意識マインド回復に寄与しました。
非製造業は、東南アジアからの回遊クルーズ船の寄港で好調なインバウンド消費や、人工知能AIと情報通信技術の目覚ましい発達などの流れによるシステム需要等が追い風になった一方で、賃金の伸び悩みや人手不足と夏場の長雨と降雨災害による悪影響が押し下げ抑制要因となり、景気が良いとする意識マインドに良い方向感が出ませんでした。
中小企業も大企業同様に製造業の方の改善が目立っています。
製造業がやっとのこと上向き傾向に成りました。
ところで、日本の第二次産業化は空洞化開始後久しいですが、27年前の第一次不動産バブル崩壊後20年余に渡りGDP成長率が停滞して低空飛行の侭で、それまで1人当たりGDPが世界トップクラスから今は世界22位に転落しました。
既に、香港とシンガポールに追い抜かれました。
シンガポールは30年以上前から基幹産業創出の為に、日本政府がコンピューター等の産業技術供与でGDPを成長させました。
アシアン主要国は今年も揃ってGDP成長率が5〜6%台をもくろんでいます。
そして、安定した雇用と継続した成長性を下支えする第二次産業への銀行の融資のうちで工場建設や機械設備などの生産拡大投資向けの貸付がこの十数年以上も、中小企業も一緒に少しも伸びていませんでした。
今の第二次産業界(建設、製造、電力など)がアベノミクス政策でやっと開花仕出した時は全部門で稼働率が高くなりますが、今の侭なら「或る現実」に日本国民は驚くことに為ります。
つまり、製造業などを動かす為の消費電力不足に直面して、「原発再稼働自主規制策」が仇となったことが判るのです。
国のGDPが成長して政府の貯金が貯まったら、今の60歳までの将来の社会福祉が担保されることに為りますが、国の経済を発展させる為の原動力は、大量の電力を必要としていることに国民が気付いていないのです。
なお、AIに付いて、NHK番組で、腎臓手術中に医師が何も無い空間に向かい両手両指を、色々と手踊りの様に動かしています。
但し、医師のゴーグルをカメラに付けて見ると、手術室で医師の面白い手踊りの前で、患者の腎臓のカラー識別3D像(3Dプリンターで腎臓を作った様な画像)が、医師の指でくるくる回転したりしています、患部は薄紫色で識別されています、今時点の立体カラー3D
像なので手術の進捗と残りの施術が確認出来ます。
今までは白黒の平面フィルム映像でした、今後はこの医療技術がほかの産業や軍需の部門で新たな日本の事業を創出するものと想います。
なお、大企業の景況感とは逆に、経済の先行きそのものについては幅広く悪化が示されました。
その懸念材料は枚挙に暇が在りません。
先ず、米政権運営の不透明感と新体制の行政の動きが遅い印象感が引き続き大企業や製造
業に未だ強いのです。
日本経済は、アメリカの政治事情で左右されてしまう脆弱性が依然として在ります。
また、北朝鮮情勢は今後も緊迫化する可能生が高いうえに、中国の景気減速(10月上旬の5年に一度の共産党大会乗り切る為に、習主席は今春から主要経済指標数字を創って来た様な印象を持っています)も警戒されます。
日本国内に関しても、景気が良い割には全体的に鈍い賃金上昇の現状を受けて、日本経済の消費回復に対する不安感が一部の企業で台頭しています。
ほかには、人手不足感があらゆる分野の事業運営上のリスクとして景況感の重石になっているとみられます。
提案するのは、異業種間の労働人口の移動推進に在ります。
いま、サービス小売業の世界的な大企業のトイザラスが経営破綻しました、ネット通販急増で若者や若夫婦が店頭に来なくなったのです。
今後ともネット通販は大企業も喰ってしまうことに為ります(除く、不況に強い生鮮食品と日用品のスーパー)。
そして、その小売業の売り場面積が全国的に縮小している現実を捉えると、その余分な労働人口を第二次産業界に円滑円満に移動させる政策を行政と政治は執るべきだと想います。視点を変えれば人手不足対策が出来ることに成ります。
2017年度の設備投資計画(全規模全産業で)は、前年比4,6%増と前回調査から上方修正されました。
例年の9月調査では上方修正される傾向が極めて強いため、今回も上方修正自体そのものには、あまり意味は在りません。
今回の設備投資計画の前年比伸び率(4,6%増)は、過去5年間との比較では、2015年度と2012年度(アベノミクス政策施行)に次ぐ水準であり、設備投資計画はやっと底固く成って来たものと評価できます。
前回調査からの上方修正幅は1,7%で、近年同時期における上方修正幅をやや下回っています。
堅調な需要や人手不足といった追い風を受けている割には物足りなさも残ります。
人手不足やアメリカ経済の不透明感などの事業環境の先行き懸念が意識マインドとして依然と根強いことが影響しているとみられます。
なお、2017年度計画(全規模全産業が4,6%増加計画)は、事前の市場予想の4,3%増加をやや上回る結果であったことは回復が進んでいます。
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